今回はイエローリボンにどんな意味が込められているかについてお話します。
日本国内でイエローリボンは、
・障がいのある人の自立と社会参加推進
・脱原発・脱原子力の願い
・海外や災害現場などに派遣された自衛官が無事帰還するようにという祈り
・イエロードッグプロジェクト
のシンボルになっています。
障がい者の自立および社会参加推進のシンボル
障がいの程度に関わらず、すべての人が生きていくうえで同年齢のかたと同等の権利を保障するため、2014年に日本が障がい者権利条約に批准したのをきっかけに、日本障がいフォーラム(JDF)が中心となり、障がい者の社会参加推進運動が行われています。
障がい者権利条約は、障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障がい者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定める条約です。
日本では12月3日を「国際障がい者デー」、そして12月3日~9日を「障がい者週間」と定めています。
国民の間に広く障がい者福祉についての関心と理解を深めるとともに、障がい者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的として、従来の「障がい者の日」(12月9日)に代わるものとして設定されました。
(参考: https://www8.cao.go.jp/shougai/kou-kei/r03shukan/main.html )
昨年も内閣府主催で、
・全国から公募した「心の輪を広げる体験作文」および「障がい者週間のポスター」の最優秀賞受賞者へ内閣総理大臣表彰
・「障がい者週間のポスター」「心の輪を広げる体験作文」の最優秀賞作品などの展示
・ワークショップ
・オンラインセミナー
といった行事が行われました。
脱原発・脱原子力を願うシンボル
福島第一原発事故以降、脱原発・脱原子力を願う意味で使われるようになり、脱原発デモの際には、リボン以外にも風船を持って歩く姿や黄色いアイテムを身に着けて行進する姿が見受けられました。
自衛官が無事帰還することを祈願するシンボル
戦争に送られたアメリカ兵士が無事に帰還することを祈って、家の軒先にその家族がイエローリボンを結んだのが始まりとされています。
アメリカ ケンタッキー州の婦人会が街路樹や胸にイエローリボンを結んだことがニュースで放映され、アメリカ全土にこの運動が広まりました。
それを受けて、日本でも自衛官の被災地・海外派遣の際に、無事帰還を祈るシンボルとして同じ色のリボンを使うようになりました。
イエロードッグプロジェクトのシンボル
イエロードッグプロジェクトについては、本サイトでも以前にご紹介させていただきましたが、こちらも世界的に広がる運動で、健康上の問題や、さまざまな事情で「近づかないでほしい」「そっとしておいてほしい」という犬のために、意思表示としてイエローリボンを目印につけています。
決して凶暴だからという理由だけでつけているわけではないということも理解してほしいところです。
■
今回は日本で見るイエローリボン運動の一例をご紹介させていただきましたが、世界に目を向けると他にもさまざまな運動の象徴としてイエローリボンが用いられています。
国内でもそうですが、必ずしも本記事のどれかが当てはまるわけではないので、黄色いリボンを見かけた際には、広い視野と柔軟な思考で意味を調べたり、考えてみてほしいと思います。
★あわせてこちらもお読みください★
<アウェアネス・リボンを学ぼう>レッドリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>イエローリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ピンクリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ホワイトリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>オレンジリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ブルーリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>パープルリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>グリーンリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ゴールドリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>シルバーリボンに込められた思い
1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。