ピンクリボンは乳がんの啓発運動のシンボルになっています。
どのように始まり、どんな運動がされているのかご紹介します。
この運動は1980年代にアメリカで始まりました。
乳がんで亡くなった患者さんの家族が「同じ悲劇を繰り返したくない」という願いから、ピンク色のリボンを使ったのが始まりとされています。
1990年代にはさらに広がりを見せ、1993年にはクリントン大統領が10月第3金曜日を「ナショナルマンモグラフィデー」に制定し、乳がんによる死亡率低下に努めました。
医療の向上ももちろんですが、マンモグラフィー検査を普及させたことも起因し、乳がんの死亡率は実際に減少しました。
日本では毎年10月を乳がん月間と定め、国内全体で啓もう活動が行われています。
1998年3月に議員立法により「特定非営利活動促進法」(NPO法)が制定されたのと同時に、ピンクリボン運動も広がりを見せました。
徐々にさまざまな団体がこの運動に賛同し、NPO法人に限らず、医療関係者なども啓もう運動を始めるとともに、乳がん患者やその家族の方たちで構成されるNPO法人の形をとらない団体も数を増やしています。
そして、政府や地方自治体も積極的にこの活動に協力する姿勢をみせています。
ピンクリボン運動は、乳がんの正しい知識を広め、早期発見・治療開始の重要性を広めるための運動です。
現在の日本では10人に1人が乳がんを患うと言われており、数十年前とは比べ物にならないほど発症数が増加している病です。
しかし同時に、早期治療開始で治るガンと呼ばれるほど医療も発達しています。
「自分は大丈夫だろう」という慢心を捨て、1度健診に行ってみたり、家族や周囲の方にも健診を勧めてほしいと思います。
ここで、さまざまな団体がどのような活動を行っているかをご紹介します。
■地方自治体による取り組み
都道府県庁・市区町村役所にパネル展示スペースを設け、乳がんについての情報を発信しており、触診モデルの設置をしている役所などもあります。
また、東京都庁などは10月に建物全体をピンクにライトアップしています。
■公益財団法人 日本対がん協会
2003年より朝日新聞社らとともにピンクリボンフェスティバルを開催し、全国で乳がんに関する啓発活動を行っています。
正しい知識を伝え、さまざまな世代から定期健診に関心を持ってもらうことを目的に、シンポジウムやセミナーなどを開催しています。
がん相談ホットラインを設置し、お金や仕事、生活に関するお悩み相談も行っていますよ。
■認定NPO法人J.POSH
2002年に高校の同級生6人で立ち上げられました。
全ての女性のため、患者さんの家族のため、乳がんで悲しむ人を1人でも少なくしたいという思いのもと、啓発活動の他にもさまざまな活動を展開しています。
以下、活動内容の一部です。
・家族を乳がんで亡くされた方や、闘病中の方に向け「J.POSH奨学金まなび」を設置 ・毎年10月第3日曜日に、全国どこでもマンモグラフィー検査が受けられる環境づくりの呼びかけ ・全国でピンクリボン運動を行っている団体への助成金支援 ・乳がん患者の乳幼児一時保育支援 ・乳がん患者とその家族向けに全国の温泉と提携・協力 |
■ユニ・チャーム株式会社
ユニ・チャームが販売している「ソフィ はだおもい」の売り上げの一部を、公益財団法人日本対がん協会「ほほえみ基金」に寄付しています。
先述のピンクリボンフェスティバルにも参加しています。
■コニカミノルタ株式会社
日本の電機メーカーとして有名な会社ですが、国内のみならず世界中で活動を行っています。
過去、専門医の講演や参加者の交流の場を設ける乳がん交流会を複数回開催したり、がんとの共存社会を目指す「ネクストリボン2020」に特別協賛企業として参加するなど、積極的に活動を行っています。
2021年には浜松市の医療機関と共同で、婦人科の定期健診時に遺伝子検査を行い、がんリスク診断をする取り組みを始めたことを発表しました。
未発症の段階から検査をすることによって、がんの早期発見が期待されています。
また同年には、乳房構成解析ソフトウェアを開発し、個人の特性に応じた乳がん検診の実現を目指して、乳がん検診の精度向上に大きく貢献しています。
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いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した企業・団体はほんの一部にすぎないので、皆さんの身近にも活動を行っている団体や企業があるかもしれません。
一部の日常必需品の購入も寄付につながります。
この記事で乳がんに対しての関心を少しでも持っていただけたら嬉しいです。
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1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。