愛知県にある火葬場『尾張北部聖苑』の動物専用炉で、火葬受託業者『五輪』の従業員が少なくとも10年間にわたり、ペットの死体と一緒にコンビニ弁当などのゴミを燃やしていたことが明らかになりました。
SNS上の書き込みを発端に事が明るみになり、この火葬場を運営する愛北広域事務組によって調査が行われ、複数の従業員が行為を認めるに至っています。
現場責任者の男性は、
「以前から火葬担当者が日常的にやっていて、そういうものだと思っていた」
と話しています。
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ペットを迎えるものとして、最期までみとることは家族の務めです。
亡骸を手放すことを想像するだけでも胸が張り裂けるような思いになりますが、まさかゴミと一緒に燃やされていたと知ったら…
言葉もありません。
例えペットを飼ったことがなかったとしても、自分の家族の遺体がゴミと一緒に扱われたら?
大げさに聞こえるかもしれませんが、ペットを飼う人にとって動物は家族です。
それっぽちの想像力も働かないのかと嘆かわしくて仕方ありません。
想像力の欠如と言うよりは人間性を疑ってしまうほどです。
さらには、愛北広域事務組合がホームページ上で掲載したお詫びの文面も批判を呼びました。
(以下、一部抜粋。)
従業員が動物等を火葬する際に、コンビニエンスストアなどで購入して出たゴミなどを一緒に火葬していたことが判明いたしました。
(中略)
今後、業務運用ルールの厳格化及び業務管理の更なる徹底・強化並びに信頼回復に向けて真摯に取り組んでまいりますととともに、このような事態が発生し、動物炉を利用された皆さまをはじめ、住民及び関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
「業務運用ルールの厳格化及び業務管理の更なる徹底」とありますが、どうも的外れな感じが拭えません。
そんな業務的な話ではなく、飼い主の尊厳を傷つける問題であったことを理解できているのでしょうか?
「ペットとゴミを一緒に燃やさない」というルールを厳格化してなくなる問題なのだとすれば、呆れるほかありません。
日本はペット後進国だと言われますが、この問題は決してそういった観点で片づけられるものではないと思います。
機械的に業務をこなすだけなのであれば、AIなどの技術発展が凄まじい今、あえて人が動く必要はないでしょう。
人は「こころ」を動かし働くことができると筆者は信じたいです。
こころを動かすこと、考えること、思いやること。
本来人間に備わっているであろうものたちが、「教えられないと分からない」そんな世界線になってほしくないなと怖くなりました。
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」