<アウェアネス・リボンを学ぼう>グリーンリボンに込められた思い

<アウェアネス・リボンを学ぼう>グリーンリボンに込められた思い

健康保険証や運転免許証の裏面をぜひ1度確認してみてください。


グリーンリボンは臓器移植の理解促進・啓発運動のシンボルです。

臓器移植法が1997年10月16日に施行されたことが由来で、毎年10月16日は「グリーンリボンデー」に制定されています。


また、10月は「臓器移植普及推進月間」に定められています。

グリーンは成長と新しい命を意味し、リボンはドナー(臓器を提供する人)とレシピエント(臓器を提供される人)のつながりを意味します。

事故や病気によって機能しなくなった臓器に、投薬や手術などあらゆる治療を施しても、現代の医療では臓器の回復を見込めない状況にある方がたくさんいらっしゃいます。

そこで、健康な臓器※を他の方から譲ってもらうことで回復させるための手段が臓器移植です。
※現在移植できる臓器は心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸および眼球(角膜)


現在日本では法施行から4000人近い方が臓器移植を受けており、無事に社会復帰したり、なかにはプロスポーツ選手として活躍する方までいらっしゃいます。

臓器移植法が施行されてからたくさんの人の命が救われています。

家族や大切な人と「移植」について、「命」について話し合い、臓器移植についての意思確認をしあうためにグリーンリボンデーは存在しています。
1年に1度ですから、ぜひ皆さんも話し合ってみてほしいと思います。

知っておきたい臓器移植のこと

■臓器移植のいま
現在、日本臓器移植ネットワーク(以下、JOT: Japan Organ Transplant Network )には約15000人の方が臓器移植の機会を得るため登録をしていて、そのほとんどは腎臓移植を希望しています。

しかし、臓器提供を受けられる方は年間約400人程度と、全体の2~3%程度です。


■臓器提供の意思表示
臓器提供の意思表示は15歳から有効になります。
これは民法上において、死後の自分の財産などについての意思表示が可能である「遺言可能年齢」を参考に設定されています。

2010年には法改正が行われ、本人の意思が不明な場合は家族の同意で提供が可能になっています。
臓器提供について意思表示しておくことは、残された家族のためにも必要です。

自分でよく考えて、日ごろから大切な人に自分の意思を伝えておくといいでしょう。


なお、意思表示については15歳から有効になっていますが、0歳から15歳のお子さんも臓器提供は可能です。
小さいうちは体の大きさにあった臓器を必要とするため、ご家族の同意があれば年齢問わず臓器提供は行われます。

実際に6歳未満の臓器提供者も年々増加してきています。


また、親族への優先提供の意思表示も可能です。
意思表示については、最新の署名年月日の意思が有効になるため、何度でも書き直すことができます。

意思表示に関する詳細はこちらをご覧ください。


生前提供の意思がなかったとしても、家族の同意で臓器提供が可能になっているため、提供を希望しない場合も意思表示が重要になっています。

個人の意思が尊重されるため、死後に家族の同意があっても「提供しない」と意思表示があった場合、臓器提供はされません。


JOTは「提供を希望する人」と「移植を希望する人」の橋渡しになっています。

啓発活動について

グリーンリボン運動は全国で行われています。
自治体や各地の団体が中心となってさまざまなイベントを開催し、この運動を広めています。

建物(都道府県庁・城跡・駅舎など)のライトアップや、市民講座、お祭りやイベントでの特設ブース設置など、活動内容は多岐にわたります。


グリーンリボンデーである10月16日や、臓器移植普及推進月間にあたる10月に限らず、時期を問わず運動は行われています。

都道府県によって開催イベントや講座日程はさまざまですが、現在は全国どこからでも参加できるオンラインのセミナーも開催されていますよ。

JOTのサイトや各自治体のホームページなどから、イベント予定を確認することが可能です。

臓器提供はあくまでも個人の意思が尊重されます。

今まで関心がなかった方も、気にせず生活してきた方も、ぜひ1度考えてみてください。
自分の意思が決まっている方については、健康保険証や運転免許証の裏面に記載することで意思表示ができますよ。

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この記事のライター

1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。

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