オレンジリボンは、児童虐待防止活動のシンボルになっています。
オレンジの色は里親家庭で育った子どもたちが「子どもたちの明るい未来を示す色」として選んだといわれています。その胸の中に、オレンジフルーツのような明るさと暖かさを感じたいという思いがあったのではないでしょうか。
2004年に栃木県小山市で起きた、3歳と4歳の幼い命が虐待により奪われるという痛ましい事件をきっかけに、その翌年『カンガルーOYAMA』という団体が「同じ悲劇を繰り返さないために」という願いを込めて、オレンジリボン運動を始めました。
この事件の子どもたちは、周囲の大人が虐待の可能性に気付き警察に通報していたにも関わらず、一時的な保護の後適切な対応がとられず、度重なる虐待の末、川へ投げ込まれ命を落としています。
この事件以外にも、虐待による死亡事件は日本国内で年間100人に迫っています。
児童相談所への相談件数も増加し続けているなか(年間相談数は20万件超)、周囲の大人の配慮や意識がとても重要になります。
虐待とは
児童虐待防止法上では、大まかに以下の4つに分類し定義されています。
■身体的虐待
殴る、蹴る、縛る、モノを投げる、閉じ込める、閉め出す、水中に沈める、熱湯をかける、食事を与えない、意図的に病気にさせるなど、外傷を与える行為および生命に危機のある行為が該当します。
■性的虐待
性行為の強制・教唆、性器を触る・触らせる・見せる、ポルノグラフィーの被写体に強要するなど、児童に対するわいせつ行為が該当します。
■心理的虐待
言葉による脅迫や精神的ダメージを与える暴言、無視、拒絶的な態度、兄弟・姉妹との差別的扱い、子どもの目の前で誰かを殴るなど、子どもに対する言動で精神的外傷を与える行為が該当します。
■ネグレクト
子どもだけを残して長時間外出する、食事を与えない、衣服を着替えさせない、外出させない、病院に連れて行かない、自分以外の大人から虐待を受けていても放置するなど、養育の放棄が該当します。
他の虐待とは違い、身体的・心理的に傷を負わせるわけではありませんが、子どもへの配慮が著しくかけているために、死に至るケースもあります。
(FABOnews.内の関連記事はこちら)
児童虐待を防止するには
ワンオペ育児や初めての育児でどうしたらいいか分からないうえ、子どもも言うことを聞いてくれないためについ手をあげてしまう、自身の幼少期の経験から子どもをうまく愛せない、かわいがれない、愛情がわかないという大人が増えています。
周囲に頼れる存在がいないために、子どもが傷つけられているのです。
したがって、一概に子どもたちの様子だけ気にしていればいいということではありません。
前述した4つの虐待のうち、どれかにあてはまった時点で保護や観察が必要になりますが、周囲が気付かずに見過ごされてしまっているのが現実です。
また、しつけと虐待の線引きがとても難しく、虐待が定義づけされている今でも、しつけとの間にグレーゾーンが存在しています。
身体的虐待のように外傷が残るものだけが虐待ではないため、子どもたちが自分の頭で虐待をされていると認識し、周囲の大人たちに助けを求めることはとても難しいです。
現状の家庭環境に慣れてしまい当たり前になってしまっている子や、そもそも自分が虐待を受けていると自覚ができない子など、この問題は子どもからのSOSを待っていては解決しない問題とも言えます。
したがって、周囲の大人たちのネットワークはとても重要です。
そのネットワークを広げ、虐待のない社会を目指すのがこの「オレンジリボン運動」です。
オレンジリボン運動への参加
NPO法人 児童虐待防止全国ネットワークのホームページから、どんな活動が行われているかご確認いただけます。
また相談窓口も設置されていますので、もしもの時は頼ってください。
募金やグッズ購入といった直接的な金銭での支援に限らず、オレンジリボンを身につけたり、SNSの拡散なども支援につながります。
未来を背負う子どもたちのために、まずはできることから始めてみませんか?
※本記事は、NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク様より掲載許可および画像提供をいただいて作成しています。
★あわせてこちらもお読みください★
<アウェアネス・リボンを学ぼう>レッドリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>イエローリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ピンクリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ホワイトリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>オレンジリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ブルーリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>パープルリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>グリーンリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>ゴールドリボンに込められた思い
<アウェアネス・リボンを学ぼう>シルバーリボンに込められた思い
1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。