2021年8月1日、痛ましい事件が起きました。
17歳で無職の兄が、小学1年生で6歳の妹に日常的に暴行を加えて死に至らしめたという内容です。
まずは簡単に、各メディアで報道された内容を紹介します。
・兄は警察に対し、妹の世話をするのがつらかったと述べ容疑を認めている。
・母親の収入面による理由によって、兄と妹は別々の養護施設で育った。
・父親の詳細は報道されていない。
・母親の希望によって、4月から兄と妹を引き取り同居が始まっていた。
・同年4月頃から家賃の滞納があったようだという報道がある。
・深夜に兄と妹が2人でコンビニに行ったところ、店員から警察に通報が入った。
・ネグレストの疑いで事件当日から3日後に児童相談所が面談予定だった。
このような報道や情報が流れています。
思うことはたくさんありますが、今回はネグレストについての記事とさせていただきます。
殺人犯になってしまった17歳の兄。
警察には妹の世話をするのがつらかったと語っています。
このことから、兄が妹の世話をしているヤングケアラーであったということが分かります。
さらに、母親と同居しているのにも関わらず妹を殺して楽になりたいという状況に陥ったことを鑑みると、母親が育児義務の放棄を行ったネグレストであると言えます。
ヤングケアラーとは、年齢が若かったり、または学生の身分でありながら、介護や養育・育児などを行わなければならない方の総称です。
ネグレクトとは、児童への虐待、障害者への虐待、高齢者への虐待、患者への虐待を意味し、放置したり、面倒を見ないという行為自体を指します。(他にも、ペットに対する放棄に対しても使われることがあります。)
子どもに対するネグレクトとしては育児の放棄、育児の怠慢、保護・観察などの放棄があたります。
端的に説明するのであれば、ネグレクトは当然の義務を放棄することと言えます。
そして日本では、子どもに対するネグレクトを行う人のことをネグレストと称しています。
今回の事件については、母親のネグレクト(育児義務の放棄)によって兄はヤングケアラーとなり、その結果兄は精神を壊し、妹殺しという殺人犯になってしまった。このように考えるのが妥当だと思います。
よく、生活困窮者がネグレクトを行うという情報がネットなどに散見されます。
しかし、生活の困窮とネグレクトは別物です。
金銭的に苦しくてお子さんをヤングケアラーにしてしまう可能性はあります。
ただし、金銭的に苦しくヤングケアラーを生んでしまったからといって、その親が育児を放棄していいということではありません。
生活困窮者だから育児ができない、という概念を作ってしまうのは非常に危険です。
そのためのセーフティネットであり、国や政府の支援があります。
確かにすべての方がセーフティネットで生活を取り留められるかは難しい所ですが、あきらめたり絶望する前に、やれることは多く残っているはずです。
もしこの記事を見ている方のなかに、もう明日も生きていけないかもしれない。という方がいらっしゃれば、私に連絡をください。
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神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。