<アウェアネス・リボンを学ぼう>ゴールドリボンに込められた思い

<アウェアネス・リボンを学ぼう>ゴールドリボンに込められた思い

小児がんについて、皆さんはどのくらいご存じですか?


ゴールドリボンは、小児がんの子どもたちを支える、小児がん経験者の生活の質向上に向けた活動のシンボルになっています。

子どもは「国の宝」です。そのような点から考えて、「子どもたちは私たちにとって、金(きん)のように【最も貴重な宝物】である」という考えから、ゴールド(金色)リボンがシンボルマークとして使われています。
金(きん)は火にかかるプロセスを経てより強くよりタフになります。「小児がんの子どもたちが【辛い経験や挑戦を乗り越えて、より強くより幸せになれるように】」という願いも込められている」言われています。

ゴールドがシンボルとして使われている背景には、こんな思いが込められています。

小児がんは症例が少なく、2000年以降になっても理解がなかなか進まず偏見などがありました。
支援も限られているなかで、患者さんや家族の方々の力に少しでもなろうと、この運動が開始されたのです。

小児がんとは?

一般に15歳以下の子どもに発生する悪性腫瘍を「小児がん」と呼んでいます。
大人に比べて発症数は少ないものの、年間で2000~3000人の子どもたちが新たに小児がんの診断を受けています。

小児がんは47種に分類されますが、大きく分けて血液腫瘍と固形腫瘍に分けられ、血液腫瘍では「白血病」や「悪性リンパ腫」、固形腫瘍では「脳(脊髄)腫瘍」「神経芽腫」が発症数上位を占めます。

治癒率は70%以上と言われていますが、成長の過程で、あるいは治療の影響で、小児がん経験者の約半数は晩期合併症(障害)を抱えています。

晩期合併症は成長や発達・臓器機能への影響や二次性腫瘍、免疫力の低下などがあります。

患者と家族の現状

症例の少ない疾患なだけに、小児がん患者・経験者とその家族の方たちはさまざまな面で厳しい現実を突きつけられています。

専門医が少ないため、限られた情報のなかで選択し判断しなければならない状況です。


■学業に対する不安
療養中の学業の遅れや、安心して勉学に取り組める環境の確保の難しさなど、入院や通院が必要な子どもに対しての教育環境の改善が必要とされています。


■経済的負担
小児慢性特定疾病への医療費助成を利用しても、病院が遠方の場合は交通費などの出費が多く、さらに子どもの面倒を見るために仕事を続けていくのが難しくなり辞めざるをえないなど、経済的負担は非常に大きく、助成金の支給が終わってからの費用捻出への不安の声も上がっています。


■治療後の私生活への影響
晩期合併症発症への不安や、体力面や晩期合併症によるアルバイトの制限、周囲の理解の欠如による社会的・精神的負担など、治癒後も安心して快適に暮らしていける社会ではないと言えます。

取り組みや活動

ゴールドリボン運動を行っている団体は数多くありますが、医師へのオンライン相談の無償提供、患者・家族のための情報提供やイベントの開催、治療・就学にかかる金銭的援助、学業支援、就業フォローなどが行われているようです。


また、みなさんは「ゴールドリボンウォーキング」という運動をご存じですか?
4月25日の「小児がんゴールドリボンの日」に合わせて、この時期にはゴールドリボングッズを身に着けて名前の通りウォーキングを行います。

ゴールドリボン運動の存在を知ってもらうことで、小児がんに対する正しい情報を広めるとともに、支援体制の確立を目指して2007年に東京で始まり、2016年には大阪、2018年には福岡にも広がりました。

2020年はコロナの影響で中止となりましたが、2021年にはたくさんの方の参加がありました。
2021年に行われたゴールドウォーキングの詳細はこちらでご確認いただけます。

累計の参加人数は4万人を超え、寄付金額も3,000万円を超えています。


この運動にはがん保険会社のアフラックが特別協賛していて、アフラックは他にもクラシックチャリティーコンサートの開催や、社員や販売代理店員が購入したゴールドリボンバッジなどの売り上げの一部を小児がんの支援団体に寄付するなど、積極的に活動を行っています。



この記事を読んでいる方のなかで、学生時代に小児がんについて話を聞いたことがある人はどのくらいいるでしょうか?

授業などで触れた経験があるという方は多くないと思います。
大人になっても、関心がないと詳しく知ろうとは思わないかもしれません。

小児がん患者の子どもたちのなかには、周囲から偏見の目を向けられたり、交友関係がうまくいかないなど、同年代との関係性に悩んでいる子もたくさんいます。

皆さんに知っていただくために今回は記事にしていますが、小さいうちから教育の機会を設けることも今後必要なのではないかと考えます。

1人でも多くの方に小児がんについて知っていただき、小児がんに理解のある社会、そして小児がんの子どもたち・経験者・家族の方にとって生活しやすい社会になることを願います。

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この記事のライター

1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。

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#病気 #命 #子ども

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