心理学から学ぶ【防衛機制 補償とは】

心理学から学ぶ【防衛機制 補償とは】

苦しい、切ない、悲しい、から解放されよう


防衛機制という言葉を知っていますか?
防衛機制とは普段の生活の中で自分自身の心を保つ、または守るためのこころのメカニズムです。

防衛機制はもともと精神分析学の父であるジークムント・フロイトが生み出した言葉であり、娘のアンナ・フロイトが細分化しました。
その後、さまざまな人物によって種類が追加されていったのです。


防衛機制は知らず知らずのうちに構築されているもので、それが原因で苦しむことが多くあります。

防衛機制を理解することで苦しい、切ない、悲しいといったような気持ちから少しでも解放される人が増えたらいいなという思いで記事にしました。

今回は、代表的なものでも10以上ある防衛機制の中から【補償】をご紹介します。


防衛機制 補償とは

自分が抱く劣等感や承認されない気持ちなどを、別のものでカバーし優れようとすることを言います。
劣等感の裏返しで起きていることが特徴です。



具体例を2つご紹介します。

①高卒の人が就活中に、大卒以上の募集に対して学歴の劣等感を持った。
なので、さまざまな資格を取得したり経験を積んで、重要な戦力になるように努力し、学歴にも勝る能力を手に入れた。


②幼少期から金銭的に苦労をする家庭環境で育ったため、お金を稼ぐことに執着し事業を成し遂げて裕福になった。

以上のようなことが挙げられます。

よく補償のような思考をしてしまう方へ

一見するとその人の努力によって手に入れた証なので、いけない思考回路ではないように感じるかもしれません。

しかし学歴でのコンプレックスは、自分より高学歴な人に対する敵意や対抗心を持つことにより害しても良いと考える可能性があります。

裕福さでいうと、裕福であることが偉い・権力があるという思考から、そうでない人をさげすんだり無価値と考えてしまうこともあります。

防衛規制の補償の危険性として、優生主義や人への無意味な評価などが生まれる可能性があるのです。

最近ではメンタリストDaiGo氏の件と近しい思想になったり、差別主義者として確立してしまう可能性すらあります。

屈強からの反発による頑張りはとても素晴らしいことです。
しかし、補償のように人と人との間に上下関係を強いる考え方は望ましいとは言えません。

逆にこの補償に対して防衛機制の【昇華】はそういった恐れがなく、自己成長であり他者と関係なく努力を行えるものとなります。

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この記事のライター

神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。

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