なぜか「ダメな人に思われているのではないか」「悪口を言われているのではないか」そんな気がしてしまい、落ち込んだり苦しんだりしたことはありませんか?
一般的には被害妄想と言われるこの現象ですが、
「妄想性障害」「妄想性パーソナリティ障害」などといわれる精神障害の一種です。
精神障害の中でも他人との比較や、その度合いを計るのは難しいものと言えます。
この記事では親しみがある被害妄想と表現させていただきます。
■被害妄想の根源は疑念である
被害妄想が起こってしまう原因は疑念が大きな割合を占めます。
「恋人は自分のことを本当は好きではないのではないか」
「友達は自分より他の友達といた方が楽しいのではないか」
このような感情が膨らんでくると、事実とは異なる想像が膨らんでいきます。
根拠や証拠があるわけではなく、疑わしいという思いこみによって自分を卑下するようになります。
■疑念から証拠を探す
被害妄想をする本人は何の根拠もない状態です。
そうすると、本人と現実の間に何もつなぐものが無い状態になります。
この状態は認知の不協和と言えます。
この認知の不協和を埋めるために、証拠能力を探す傾向が強く現れます。
例えば
・ささいな言葉尻を気にするようになる
・小さな行動変化に過敏になる
・他人を試すような言動や行動を行い始める
などがあたります。
■併発する精神疾患など
人を疑い続けるという思考を続けているとさまざまな精神疾患を併存発症させることはすでに広く知られています。
・統合失調症
・不安症
が最も事例としては多いと思われます。
他にも、アルコール依存症やギャンブル依存症、各種パーソナリティ障害などなど
つまり、その疑念を持った状態を正当化するような人格形成になったり、疑念と向き合うことができずに重たい性格障害を負ってしまうということになります。
■被害妄想は克服できるのか
結論として、“克服することはできます。”
被害妄想は確実に後天的な要素によって構成されたものです。
自分で気づいている場合も多く、その状況を冷静に向き合うことができないというだけで、原因としてわかりやすいという特徴もあります。
医療としての治療法は原則的には精神安定剤などの投薬が主要になりますが、被害妄想で最も効果的なものはカウンセリングを主体とした心理療法と言えます。
・認知行動療法
・ゲシュタルト療法
などが有名なものですが、この2つに限っているわけではありません。
1番はカウンセラーに相談したときに一緒にどんな療法があっているのかを導き出すのが最善と言えます。
さいごに
当然ながら被害妄想だと思っていたが、それが事実であれば“被害”ということになります。
その為、一概に物事や人を疑うことがダメだというわけではありません。
しかしながら、事実とはかけ離れていってしまうことで、必要のない“他人を傷つける”行為になったり“自分を傷つける”行為になり替わってしまいます。
「彼氏が浮気していそう…第六感がそう言っている!」
「友達が悪口言ってそう…そんな気がする!」
こんなことを頻繁に思ってしまうようであれば、まずは何があなたの気持ちをそうさせるのか、文字にしてみるといいと思います。
案外自分自身の言っている事が根も葉もないことだったということに気づけるかもしれませんよ。
神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。