キャリアコンサルタントとして活動する中で、
・自分の給料は低いと思う
・役職があがらないことに納得いかない
・同期より優れているはずなのになぜか認められない
このような相談を受けることがしばしばあります。
皆さんも同じように思ったことはありませんか?
もちろん、会社の制度や業務によって評価方法は変わります。
例えば、営業職であれば売上です。
どんなに頑張っていても、売上目標を達成していなければ評価はあがりません。
逆に言えば、頑張っていなくても目標を達成していれば簡単に昇給するでしょう。
その他で共通している考え方としては、
スキルが必要なものであれば、それができるようになった時。
自分のスキルを他の人に共有することができた時。
といったふうに、できることが増えたり、目標を達成すると評価されたりするのが大枠の会社の仕組みです。
しかし、ある一定の評価がされても「昇給」や「昇格」まで話がいかないことが多いのも事実です。
そんな風に悩んでいる方、またはこれから昇給昇格したいと考えている方に、ぜひ参考していただきたい内容をお伝えします。
本当に必要とされる人間じゃないと次のステージには上がれません
従業員になると仕事が与えられます。
最初の目標は、その仕事が一人前にできるようになることです。
多くの方は仕事ができるように努力して、ある程度の一定の目標達成ができるようになっていきます。
実は、最も評価に関して多い相談のタイミングはここです。
自分は言われたことがそれ以上にできるようになったのに、それが評価や給料に反映されないと言います。
例えば、こんな事例が実際にありました。
<人材派遣の社員>
説明会用の書類も仕事の紹介率も、私がやる前より少し上がったのに… |
<人事の社員> 人出不足の会社で、サービス業の現場から人事部へ異動。 面接や求人広告を出したことはあるけど、部署としてしっかりと動くことがなかった。 始めのうちは現状維持がやっとだったけど、1年程度たつと広告社や代理店の方とコミュニケーションを取って戦略的に採用ができるようになった。
採用できた人がたくさん増えたというわけではないけど、コスト削減は10%くらいできたのに、あまり褒められたり頑張っていると評価されていない気がする… |
<コールセンターの社員>
|
頑張り方を間違えていませんか?
皆さんは先述しているような経験があったり、近しい感覚を持ったことはありませんか?
先に述べておくと、会社内で評価されて給料が上がるというのは簡単なものではありません。
基本的には「評価されているが給料に反映されない」または「評価すらされづらい」ことが大前提となります。
しかし、このような事例の方は確かに「仕事ができるようになることを頑張ってはいる」が、「昇給昇格されるためには頑張れていない」というのが答えです。
少々厳しい言い方になりますが、
「与えられた仕事ができるようになることは当たり前」なのです。
それに少々の付加価値がついたところで想定の範囲内と言えます。
それもそのはず。
そもそもそれをやってもらうことを前提に会社は雇入れているわけですから、できないことがマイナスになっても、できることは「当然」でなければ困ります。
なので、与えられた仕事ができるようになったからと言って昇給昇格することは、初期目標が高くない場合以外はほぼありえません。
昇給昇格がしたいならコレが有効です
では、どうしたら昇給昇格するのか?という疑問が出てきます。
有効な手段として1つだけご紹介します。
それは、上司の仕事をできるようになることです。
会社というのは組織です。
あなたには上司がいて、さらにその上に上司がいて、役員がいて、社長がいます。
上の方は人が少なく、下の方が多いというピラミッド型です。
なかには「横並びの会社なんです。」だったり「縦社会がない社風なんです。」というところもありますが、ほぼ建前です。
どうしても会社を立ち上げた創業者は出資者でもありますので、実質トップです。
そんななかで「上に上がりたい」「昇給したい」ということは、自分の上司に今の仕事をさせていたら自分はいつまでたっても上には行けません。
つまり、自分が上司の仕事ができるようになると、
1.上司が評価され上に上がり、自分も上に上がる
2.上司と同等の評価を得て、自分が上司と同じ立場になる
3.上司より評価されて上司と交代する(あまり例はありませんが…)
などということが起こる可能性は高まります。
なので、全てまではいかなくとも、
上司の仕事を手伝う努力=自分の評価が上がりやすくなる
ということを念頭に、今の仕事に向かってみてください。
最初は簡単な手伝いからでも、徐々に1人でできるようになってきます。
すると、その姿を見ている他の社員や同期・後輩から、明らかに見られる目が変わってきます。
より多くの人にこれまでとの違いがわかるようになると、社内での見え方も変わってきます。
自分で声をあげるより、第3者からの声や意見の方が、他人は信用しやすく興味を持ちやすい傾向があります。
これを心理学では『ウインザー効果』と言います。
まとめ
POINT1
・やれと言われたことができるようになることは当たり前
POINT2
・上司の仕事を手伝う努力=自分の評価が上がりやすくなる
POINT3
・自分から声を上げるより先に、行動や言動で表現していく(ウインザー効果)
神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。