カウンセラーとして活動している筆者が伝えたい“不調のサイン”。
うつ病や適応障害は誰でもなる可能性があります。
心の病気というのは、こうだからうつ病、こうだから適応障害、と断言することがとても難しいものです。
そして、心の病気であっても体の病気であっても、症状には強弱があります。
風邪をひいてしまったときだと、熱があるのか、同時に吐き気や腹痛があるのか…
けがをしたときだと、ひねっただけなのか、血が出ているのか、骨折しているのか…
当然ながら、その症状に応じてケアや治療の方法が変わります。
心の病気は、そういった症状が日常的に発生して、知らない間に解消することも、解消したと思っていたのにそうではなく蓄積されていることもあります。
つまり、非常にわかりづらく、定義しづらいのが特徴なのです。
そして、完全にうつ病や適応障害になってしまうと、完治を目指すことが非常に困難になります。
今回はそうなる前に、人の行動や言動に表れるサインをお伝えします。
企業内でカウンセリング活動を行う私が感じることとして、うつ病や適応障害になってしまう方には、次のような症状が複数起こります。
皆さんもチェックしてみてくださいね。
<周りにこのような人はいませんか?>
☑ 寝坊(遅刻)が増える ☑ 身だしなみに気を遣わないことが増える(ひげの処理忘れ、メイクしないなど) ☑ 洋服や身に着けるものの清潔感がなくなっているような気がする ☑ 暴飲暴食が増える ☑ 食欲がないことが増える ☑ 物忘れが増える ☑ 電車の乗り間違い、乗り過ごしをしてしまう ☑ 集中力がないと感じることが増える ☑ いつもできていたことなのに、できなくなることが続く ☑ 会話のスピード感やリズムが変わった気がする |
上記は、周りの人から見て気づけるものを10個挙げています。
他者から見てわかりやすい変化と言えるサインです。
続いては、自分でしか気づきづらいサインです。
<最近こんな風に感じませんか?>
☑ 寝つきが悪い状態が続いたりしている ☑ 休みの日に長時間睡眠をしてしまうことが増える ☑ 習慣になっていたことも面倒でやらなくなる ☑ 気付くと涙を流していることがある ☑ 何もせずに、気付くと自分が思っているより時間がたっていることが多い ☑ イライラしていると気づきながらも止められないことが増える ☑ 好きなことのはずなのに楽しいと思えないことがある ☑ 何をしていても何にも興味がないような感覚になる ☑ 人と話していたはずなのに内容を覚えていないことがある ☑ 嬉しいはずなのに喜び方がわからない感覚になる |
注意点として、普段から上記のような傾向を持つ人は当てはまりません。
普段はそんなことないのに…という項目だけをチェックしてみてください。
今回は別々に記載しましたが、20個のうち半分以上当てはまっていると気を付けたいところです。
人は誰かと接する度に、大なり小なりのストレスを感じて心に波が起きているような状態になります。
その水面の波が大きな津波のようになって抑えが利かなくなる前に、しっかりと休養を取ることが必要です。
平穏な感情が最も良いとは限りませんが、落ち着いた気持ちで過ごす時間というのは、心にとっても体にとっても良い休養となります。
あなたの周りでバッチリ当てはまる人がいる場合は、気にかけてあげてください。
同僚として、先輩として、後輩として、人事として、立場はさまざまかもしれません。
ですがそんな立場は関係なく、職場でこのような人がいる場合、一緒に働く仲間として寄り添いながら、心も体も健康である方が良いに決まっています。
社内のカウンセラーをするなかで、気づいていたのに声をかけるのを躊躇し、後悔している人をたくさん見てきました。
困っている、苦しんでいる、悩んでいる、そんな人を無視したことによってその方が悪い方向へ進んでしまうと、必要のない罪悪感などに襲われてしまうのです。
もし自分からは直接話しづらいのであれば、上司や人事、産業医、社内カウンセラーなどに相談しましょう。
見てみぬふりをすることによって苦しんでしまうほど、人間は純粋でまっすぐな生き物です。
私自身はカウンセラーですが、社会人としても、自然に気づき合える社会・相談し合える社会になればと願っています。
神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。