【うつ病や適応障害など】心の苦しさの正体を知って1歩踏み出してほしい

【うつ病や適応障害など】心の苦しさの正体を知って1歩踏み出してほしい

心理カウンセラーが伝えたい「今を知って、明日を歩く」ということ。


【うつ病や適応障害など】人が苦しむ原因にほぼ100%関わるものと連続した内容ですので、ぜひ1度お読みいただいてから以下ご覧ください。


今回は、心の苦しさの本当の正体を知って1歩踏み出すためのお話をさせていただきます。

私は心理カウンセラーとして、心の苦しみで悩む人の話を伺っていますが、なかでもうつ病や適応障害を患っている方がほとんどと言っていいと思います。

うつ病や適応障害の多くは後天的な精神疾患です。
今回は、1人1人異なる思考や感情を持つ他人同士が共存する会社や学校の中で、自分自身が“抑圧”された状態になることが、心の苦しさを生む原因になっているということをお伝えしたいと思います。

防衛機制の抑圧や抑制については、以前の記事でご確認ください。
心理学から学ぶ【防衛機制 抑圧とは】
心理学から学ぶ【防衛機制 抑制とは】

抑圧や抑制の事例ページはこちら。
カウンセリングレポート|心が抑圧された状態の実例

心の苦しさの原因が抑圧・抑制だとわかったからと言って、表面的な原理を知るところまでで留まってしまうのではあまり意味がないと考えています。

そこで、抑圧・抑制をもう少し深く理解することによって、今苦しんでいる人の“もう1歩”を後押しできるのではないかという思いで本記事を掲載いたします。


自分の抑圧状態から学ぶあなたの“自我=自分らしさ”

抑圧状態にある心というのは、例えるならば渡り鳥を鳥かごの中にしまい込んで“そこにいることはわかっているけど閉じ込めている”という状態です。

なので、渡り鳥(自分)がどういう気持ちなのか、どういうことを考えてどういうことをやりたいのかは何となく分かっているが、強制的に表現を制限されている世界と言えます。

渡り鳥の自分らしさを飛ぶことだとするのであれば、囚われている渡り鳥は飛ぶこと(=自分らしさを表現すること)ができません。
いずれ衰弱して飛べなくなったり、飛ぶことを忘れてしまい取返しがつかなくなります。

つまり、抑圧された状態というのは“心が拘束されている状態”と言っても過言ではないのです。


しかし、表現したいからと言ってどんなことでもしていいわけではありません。

そのために規律やルール、法律というものが存在します。
そして、その規律や法律・善悪というものを学び、理解するために教育というものがあります。

結果的に、“自分を表現すること”を根本的に理解する必要が出てきます。

“自分を表現する”ということの大前提

例えば、
・人や動物を殺したい
・誰かの物を奪いたい
・危険薬物を使いたい
このような場合、いくら表現したくても法律というルール上NGです。
上記のようなことができないからと言って、抑圧されている状態とは言えません。

極端な話になってしまいましたが、ではどのような状態が一般的に“自分を表現できずに抑圧されている状態”と言えるのでしょうか。


それは
『自分の思い通りにならないこと』
この1点に尽きます。


漠然としていますが、漠然としているからこそ起こりやすいと考えています。
自分の思った通りのことが実現しないというのは、その内容によって誤差が生じます。
これはいくつかの分類が可能ですが、今回は2つの分類をお伝えします。

【パターン①】コミュニティ内で相互理解がされず、自分の思い通りにならない

<例>

▶100円で仕入れた物を1,000円で売る会社で働いているが、1,000円は高すぎるから500円にした方がいいと思っている。

▶営業職をしているが、会社が用意した手順に沿って説明するより、自分が考えた手順の方が優れていて結果も出ると考えている。

このようなケースの場合、人によって意見が分かれやすくなりますが、自分の意見が通らない、自分の感情や思考が理解されないことで抑圧が引き起こされます。

しかし、会社という組織の場合、さまざまな人の集合体であるが故に、一方向視点の意見や、わがままで傲慢(ごうまん)な思考は通りませんし、社内全員が賛同したとしても従業員の一意見で急に方向転換はできません。

このようなことを回避するために、法律や常識的な規律とは別に、会社の行動指針や企業理念、就業規則というものが存在し、それらに沿えるかどうかが取り上げられます。

行動指針や就業規則というものを従業員に説明し理解を得ることで、会社で働くうえで大枠の誤差を解消することは可能です。


しかし、会社側が説明を怠ったり、しっかりとした行動指針を示すことができなければ、あるべきはずの企業独自の規律がなくなり、従業員は心が抑圧され、会社側への貢献度が低くなるという、両者にとってマイナスしか生まれないという事態が起きます。

結論として、コミュニティ内で自分の思考や行動をストレスなく表現するためには、“所属するコミュニティを理解し、一定の賛同をすること”が表現する側に最低限必要な環境理解と言えます。

同時に会社側(コミュニティ)は、働く側に必要な行動指針や企業理念、就業規則を整備し、理解を促すことが求められます。
(※企業側が無理難題を突き付けたり、就労関連の法律に反している場合を除きます。)

【パターン②】個人的なパーソナリティを制限されて、自分の思い通りにならない

最近では、こちらパターンで抑圧を感じてしまっている方のカウンセリングが増えています。

例を挙げると次のようなことが該当します。

・しゃべり方やしぐさなどを強制される
・メイクや服装を強制される
・外見などでの決めつけ
・生まれや育ちで人柄を決めつけられる
・女性だから、男性だからという理由で行動を指示される
・個人の考えや思いがないがしろにされる
・上司と部下の主従関係による強制
・権利や立場を利用した脅迫


こちらは前者のコミュニティ内での表現と違い、

・独自のバイアスがかかった会社の規則や文化
・固定概念や習慣化された思い込み
・相手側の人的な理解不足や教養不足

などが代表的な原因と言えます。


この場合、表現したい個人がどれだけ頑張ったとしても、状況や環境を大きく変えることが難しいため、最も抑圧を受けやすいと言えます。

これを回避するためには、表現を受け取る側のアップデートも必要になりますし、自分自身が「こういう生き方がしたい」と思う理由を理解することも必要になります。


どちらにしても1番大切なことは
『自分のなりたい自分を表現し続けること』
に尽きます。

・何の理由もなくいつまでも残っている古臭い習慣や文化
・新しい性別やジェンダーへの理解が追い付いていない人
・過去の栄光や成功にとりつかれた人や会社
などなど

そんな障壁を気にして自分を抑え込む必要なんてありません。


ただ、自分らしさを制限なく自由に表現することが必ずしも正しいというわけではない、という点は理解しておく必要があります。

表現の仕方に自分でも違和感を感じたり、他者から指摘されるようなことがあれば、常識などと照らし合わせながら違和感の理由・指摘された理由を考えてみましょう。

本当の自分らしさとは何か

これまでお話してきた通り、自分らしさというのは自由で無限ということではありません。

善悪が存在し、規律やルールが存在します。


ある程度の規律やルールであれば、「慣れ」が解決してくれます。

人間は弱肉強食の世界で生きる動物ではありませんし、理性が抑えられない動物というわけではないので、表現する側(=心の抑圧を感じている側)も自分らしさというものを理解し、表現の仕方を考えなければいけません。

それは、自分の正義が誰かをむやみに傷つけていいというわけではないからです。
信じている正義を貫くことで、他の誰かを抑圧しては意味がありません。

まとめ

・心の抑圧とは『心や表現の拘束』である

・心の表現はすべてが自由なわけではなく、善悪や法律・ルールなどの理解が必要

・個性や個人の趣向は他人から阻害されるものではない

・万が一阻害された場合、どういう理由か検討し考える必要がある

・自分の個性が誰かの阻害になっていなければ、表現をやめる必要なんてない

・自分がなりたい自分を探し表現することを無意味な拘束で諦めない


さいごに

次の1歩を踏み出すために『自分が思う自分自身を表現すること』をやめないでください。

その時の自分はその時だけのものかもしれませんし、何ヵ月後、何年後か先には自分の思う自分はきっと変わっているでしょう。
経験や多くの時間の経過の中で、人間の思考や感情の湧き方が変化するのは自然なことです。

だからこそ、現在の自分自身がわからなかったとしても、わかっていない自分の“今”を表現することに意味があります。

そうやって“今”を積み重ねていくことが次の1歩になり、“明日”を迎えられる自分を作っていくものだと私は信じています。

この記事のライター

神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。

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