愛され方と愛し方 ―「刷り込み」と「愛着」から学ぶ―

愛され方と愛し方 ―「刷り込み」と「愛着」から学ぶ―

発達心理学の「刷り込み」と「愛着」を応用し、愛し愛される人になる


本記事の内容は、以下の記事と連動しています。
愛情?信頼?洗脳?詐欺?「刷り込み」と「愛着」を正しく理解しましょう。
ご一読のうえ、お進みいただくことをお勧めします。

発達心理学、主に乳児に対して使われる「刷り込み」「愛着」
これらは中学生、高校生、成人など、対象が変わっても応用することが可能です。

大人が正しく応用することで、他人を愛すること・愛されることを理解し、より良い人間関係を構築する1つのアイデアにしましょう。


「刷り込み」や「愛着」を活用した愛情の伝え方

刷り込みは、同じことをひたすら繰り返して意識や行動のなかに刷り込むという意味ではなく、“特定の時期に一定の条件がそろうと信頼と愛情が生まれる”というものです。

同じように、愛着についても“特定の時期に一定の相互作用がそろうと信頼と愛情が生まれる”と言えます。

つまり、あなたが相手に対して、特定の時期(タイミング)に一定の条件(接し方や伝え方)を心がけてコミュニケーションを行うことで、自分の愛情を正しく伝えられたり、愛情を受けられる可能性が飛躍的に高くなります。

具体的には、以下のような接し方が考えられます。

■特定の時期(タイミング)
困っている、悲しんでいる、楽しんでいる、喜んでいる、悩んでいるなど

■一定の条件や相互作用(接し方や伝え方)
寄り添う、そばにいてあげる、一緒に楽しむ、一緒に喜ぶ、一緒に考えるなど

わかりきっているということと言えばそうなのかもしれません。
しかし、自分が相手に対してどういう愛情を伝えたいかということは、非常にシンプルかつ重要なのです。

「刷り込み」や「愛着」によって生まれる愛情の例

<例1
異性の友達から恋愛相談を受けていたら、いつの間にか好きになっている

異性の友達から「あの人が好きなんだけど」と相談を受けるシチュエーションは、恋愛において少なくないと思います。
この時、その友達にはすごく好きな人がいて、ときめいたり、悲しんだり、苦しんだり、喜んだりします。

この状態が特定の時期(タイミング)が訪れていることになります。

そして、その異性の友達にしっかりと向き合って相談を受けていると、当然のように一緒に悲しんだり、喜んだり、苦しんだりして共感性が高まります。

これは一定の条件や相互作用(接し方や伝え方)がなされていることになります。

すると、異性の友達同士でお互いに好きではなかったはずなのに、次第に恋愛感情に変わっていく、というストーリーを聞いたことありませんか?

これは、特定のタイミングのなかで相互的に共感性が高まって、“相互の愛”が生まれている状態と言えます。

異性の友達から恋愛に発展することもあると思いますし、さらに仲が深くなって親友と言える関係になることもあるでしょう。
どちらにしても、“これまで以上に信頼しあえている”という状態になります。

これは「刷り込み」や「愛着」の効果が発揮された瞬間であると言えます。

<例2
仕事上で、自分のやる気を認めてもらえるようなコミュニケーション

仕事をするなかで、上司や先輩から仕事ぶりについて良い評価をもらう(または誰かがもらっている)場面などありますよね。
自分のやる気や、会社への貢献を認めてもらうのは簡単なことではありません。
しかし、それも1種のコミュニケーションと言えます。

例えば、結果がわかりづらい仕事をしているときに人知れず頑張っていても、それを評価する人が見ているとは限りません。

このような場合、自分が気持ちを持って行動しているというのを伝えることは、大切なコミュニケーション作業の1つです。

上司が求めていることが分かった、または、チームの中で絶対的に必要なことを行わなければならないとします。

この状態が特定の時期(タイミング)が訪れていることになります。

そして、求められていることや、やらなければならないことに対して、当然ながら共感性の伴う行動や言動を行うことが必要になります。

例えば、上司がしてほしいことがわかっている=上司が求めていることに共感したうえで、上司の助けになるような仕事をすることができるという風にとらえることができます。

つまり、特定のタイミングに誰かと相互作用が生まれる行動を積極的に行っているということです。

これは一定の条件や相互作用(接し方や伝え方)がなされていることになります。

誰かに取り入ったり、かわいがられたいからということではなく、自分が気づいたことを誰かのために積極的に行動するということは、その対象者との間に相互作用が生まれやすい状態になり、“信頼できる・安心できる”関係を築くことが比較的容易になります。

小さいこと大きいことに関係なく、「この人は気づいてくれる人だ」「この人は状況を把握できている人だ」といった具合に、その姿勢だけでも評価が上がりやすくなります。

まとめると、上司から部下への愛情、部下から上司への愛情が相互に通っているということです。

筆者は社内カウンセラーとして活動していますが、多くの会社ではとてつもないスキルを持っている人というより、こういった姿勢が重要視されることの方が多く、もはや最低限あってほしいスキル、1番持っていてほしいスキルとも言えるでしょう。

「刷り込み」や「愛着」の効果は、この他にも自分が病気だった時に支えてくれた人に好意を抱いたり、恋に落ちることも同じ原理で説明することができます。
一緒に大きな壁を乗り越えたとき、一緒に大きな問題を解決したときなども同様です。


「愛」という概念については、恋愛的なもの以外にも、友人・家族・子どもに対してなど、さまざまな形があります。

今回の記事においては、自分の思いを正しくしっかりと届けたいという場合、それは相手に少なからず愛情を持っていて、その気持ちを伝えたいということとイコールだと想定しています。

自分の本当の気持ちを、信頼したい人・信頼している人にちゃんと伝えたいというときは、ぜひ参考にしてみてください。

もちろん恋愛においても、言葉では愛情を伝える術が足りない!と思うとき、「刷り込み」や「愛着」のアイデアを使うことをお勧めします。

この記事のライター

神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。

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