心理カウンセラーの注意喚起―間違えた自己肯定感が生み出すダブルスタンダード人間―

心理カウンセラーの注意喚起―間違えた自己肯定感が生み出すダブルスタンダード人間―

自己肯定感とダブルスタンダードの密接ながりを解説します。


2000年代に入ってから「自己肯定感」「ダブルスタンダード」という言葉をよく聞くようになりましたが、つながりがあるような気がしている人はいますでしょうか。

自己肯定感もダブルスタンダードもなんとなくしか分からないという方のために、それぞれの意味を簡単に説明させていただきます。

自己肯定感とは

自分の目線で自分に価値を見いだし、理解し、認めることを指していて、
・自分の存在を認める
・ありのままの自分を理解し、嫌いにならない
・他者と比較しない
などということが言えます。

つまり、平たく言えばどんな自分であってもありのままを好きになるという意味と捉えてください。


過去の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
自己肯定感の意味、きちんと理解できていますか?

ダブルスタンダードとは

日本語では「二重規範」や「二重基準」などと言われますが、端的に言えば、ある出来事や人へそれぞれ違う対応をしてしまうことです。

AさんとBさんが同じミスをしても、Aさんには「大丈夫だよ」と言い、Bさんには「なんでこんなことになるんだ!」と対応を変えてしまうといったことですね。
公平性が欠けているとも言えます。

ダブルスタンダード人間になってしまう原因

ダブルスタンダードは、複数の出来事や相手に対して不公平な態度をとってしまうことです。
一方ではいい顔をして、一方ではいい顔をしない。
ということは、誰にでもいい顔をする八方美人とは似て異なります。

ダブルスタンダード人間を思い浮かべると、読者の皆さんの頭の中にも1人くらいは出てくるのではないでしょうか。

2つあるうちのどちらにも違う対応をしてしまう心理状況として、
・悪い面の損得勘定が強い = プロスペクト心理※
・好き嫌いの判断が独断的 = バイアス効果※、フレーミング効果※
このようなことが考えられます。

※用語の簡易説明

プロスペクト心理 …自分から見る価値と客観的価値に差があり、意志決定が不安定になる

バイアス効果   …自分の固定概念や経験則によって偏った判断をする

フレーミング効果 …その人の価値観や枠組みが意思決定をしている


損得勘定や好き嫌いの判断によって、どちらか一方だけを優遇したり、どちらか一方をさげすんだりしてしまうのがダブルスタンダードの大きな要素として考えることができます。

では、損得勘定や好き嫌いの判断と自己肯定感はどんなつながりを持っているのでしょうか。

自己肯定感の本当の意味

自己肯定感は、どんな自分も好きになって認めるということが根底にあることはお伝えしていますが、それではありません。

例えば、ありのままの自分を好きになることを以下のように実践したとします。

・嫌いな人には強い意思表示で嫌いだと言える人になりたい
このように強い意思表示で一方的に嫌いだと伝えた場合、相手はどのように感じ、どのような気持ちになるでしょうか。


・私はできないことを無理してやらないようにしたいから、すべてに消極的でいたい
お願いされたことを無理してしたくないからといって、今の自分にはできないことをすべて断ったら、相手はどのように感じ、どのような気持ちになるでしょうか。


このような場合、自己肯定感が強いのではなく、「自己中心的な人」「排他的な人」「わがままで傲慢な人」になってしまいます。

しかし、これを自己肯定感が強いと勘違いして捉えている方は少なくありません。

本来の自己肯定感は、他者に対する尊重と理解が必ずセットになっています。
自分と他人の違いを理解して自分を大切にしたい、他者に関係なく自分の気持ちを尊重したいということです。

自分と他人の違いを理解するということにおいて、他の人の尊重を害するというのはおかしいのです。

つまり、自己肯定感が高い(自分を大切にできる)ということは、他者が尊重したいと思うことも大切にできるはずなのです。

自己肯定感とダブルスタンダード人間の関係とは

本当に自己肯定感が高い方の特徴として、
・自他ともに尊重することができる
・自他の違いを認めることができる

ということが挙げられます。

間違えた自己肯定感は、先述している通り「自己中心的な人」「排他的な人」「わがままで傲慢な人」と捉えられます。

これにダブルスタンダードの特徴である、
・悪い面の損得勘定が強い
・好き嫌い判断が独断的
ということを照らし合わせてみると、損得勘定や好き嫌いで対応を変えてしまうということは、自己中心的な解釈をしていたり、排他的(受け入れられない)ということと同義で
す。

自己肯定感という言葉が独り歩きして、単に「自己主張ができる人」「NOと言える人」といった理解が進んでしまうと、ダブルスタンダードが生まれやすくなってしまいます。

心理カウンセラーから一言

相手のことを理解し、尊重すること。
そのうえで相手のために間違いを指摘できること。

これができないと、自分の意見や感情、主義主張をすることで誰かを必要なく傷つけてしまう可能性がとても高くなります。

簡単なことではありませんが、自分が主義主張を行うときに、それが相手にどのような感情や結果を生むのかということを考えてほしいと思います。

この記事のライター

神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。

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