自己肯定感の意味、きちんと理解できていますか?

自己肯定感の意味、きちんと理解できていますか?

自己肯定感=自分に自信をもつことではありません。


皆さんは自己肯定感をどのように捉えていますか?
よく耳にする言葉だけどよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

自己肯定感とは、別の言葉で言い換えると自尊心です。
あなたがあなた自身を否定しないことです。

自己肯定感は、自分の目線で自分に価値を見いだし、理解し、認めるということが前提となります。

自己肯定感に重要なこと

・自分自身の存在を認めること

・ありのままの自分を肯定し、認め、嫌いにならないこと

・他者と比較しないこと


つまり「他の人とは関係なく自分が大切だ、自分はこれでいいんだ」と思えている状態の人が、自己肯定感が高いと言えます。

逆に、「あの人はすごくすてきなのに私は全然ダメだ、価値がない、どうせなにもできない」という風に思っている人は自己肯定感が低いと言えます。

ただし、自己肯定感が高いから、低いからといって、人の幸不幸が決まるわけではありません。


しかし、このような考え方もできます。

自分自身を建物と見立てると、自己肯定感はしっかりとした自身の設計図や基礎工事のようなものです。

建物の外では気温が常に変わり、暑かったり、寒かったり、穏やかだったりしますよね。
時には、台風や猛暑、大雪、暴風なども起こります。

そんな時、しっかりした設計と基礎工事がされていれば建物はびくともしませんが、設計ミスや手抜き工事が行われていたら建物は簡単に崩壊します。

そして、どのようなデザインの建物にするのか、どのような機能を付けるのかということも、基礎工事次第で選択肢の幅が出ます。

そうでなければ、いくらカッコいいデザインでもかわいいデザインでも、すぐさま崩れてはりぼてになってしまいます。

自己肯定感が高い、低いの大きな差は、普段生活している中で「困難なこと」「苦しいとき「批判されたとき」「間違いをおかしたとき」こそ最も影響が出ると言えます。

カウンセラーとしての見解では、自己肯定感が高いに越したことはないです。

必要以上に自分を否定したり追い込んだりすることがなくなりますし、事実を事実として受け止めて、明日や未来に向かって前を向き進んで行くことができるようになります。

そして、自分に関係がないこと、自分に必要のないことを判断できるようになります。

それは自己肯定感が低い人よりも、自分自身の幸福のために時間や労力を費やせるようになるということにつながります。


あなたの人生は、あなただけの人生です。

充実した生活、満たされた人生を送るのに、あなた自身がどう生きるべきかを考えた方が良いと思いませんか?

他人にどう思われるか、他人からの批判、他人との意見の違い。
それは、あなた自身の人生にとってさほど影響はありません。


自己肯定感が高いとは

・怒りや悲しみ、苦しみから回復(レジリエンス)が早い

・自分の意見や考えに自信を持つことができる

・かんたんに周りに振り回されない

・自分の存在や価値を認識できる

・自分も他人も肯定できる

・自他の違いを認めることができる

・感情が安定して不安感が少ない

・主体的であったり能動的な生き方ができる

・他者の意見の中で、自分に必要な課題や有益なことの取捨選択ができる


などが挙げられます。

自己肯定感は人の意思や思考法、コミュニケーション、人の心のありようを形成するうえで非常に重要なファクターです。


自己肯定感が高い人の特徴

自己肯定感は感覚です。

これまで話をしてきた通り、自分を肯定できるということは、人と比較して自分自身を考えるのではなく、自分を認め大切にできるということです。

そのため、他者と自分を比較することなく、自分と他人を全くの別物として捉えることができます。

結果的に、他者の意見や感情、思考、思想などを含めて「他者を認めること」も、「気持ちや意見を尊重すること」も自然にできるようになります。

そして、自己肯定感が高い人同士でのコミュニケーションはお互いに尊重しあえる仲が構築されるので、一緒にいて安心する気持ちになったり、相談しあえるような関係になります。

すぐに人の意見やアイデア、思考、感情などを批判や否定する人がいますよね。
そういった方は、自己肯定感がとても低いと判断できます。

ところで、私はよく
「自己肯定感が高いのと自分勝手の違いは何ですか?」
といった質問や、
「自己肯定感が高いと自己中心的になりませんか?」
という質問をされます。

これに対する回答としては、自己肯定感が高いということと、身勝手や自己中心的は全くの別物であるということです。


自分に起きたこと、自分自身が感じたこと、自分自身がやりたいこと、自分自身がなりたい自分、これらを自分で受け止め尊重し認めることが大事なのです。

他者を陥れたり、恨みや憎しみで復讐を行いたいという気持ちが現れてしまったとしても、それが自己の成長やを自分を認めることになんら関係はありませんよね。

このように、他者に対する尊重と理解ができていないということは、自己肯定感が低い証拠なのです。


さいごに

一体何のために生きているのか、1度は考えたことがある人が多いと思います。

残念ながら簡単に答えが出せるような問いではありません。

しかし、一体誰の為に生きているのか。

この答えは、あなたはあなた自身のために生きているのです。

例えば、誰かのために生きている、生きたいと思っていても、誰かを守るためにはあなた自身が強くなければいけません。

誰かを幸せにしたいと思うのであれば、自身を理解したうえで幸せを与えるとは何か?その誰かの幸せとは何か?を見つける必要があります。

あなた自身があなたのための人生を歩まなければ、誰かのためにできることは少なくなるのです。

自分自身の人生を歩み、肯定し、価値を理解することで、やっと他の誰かを理解し、他人のために何をするべきなのか、時間を使うべきなのか、何を与えることができるのかを考えることが可能になるのです。


この記事のライター

神奈川県生まれ。心理カウンセラー・キャリアコンサルトの有資格者。うつ病 / パニック障害 / 適応障害 / 依存症 / などの精神疾患から仕事や日常的な悩みなどを幅広くカウンセリング活動を行う。社会問題から心理学関連、カウンセラー活動記録、研修・教育、など人や仕事に関わるジャンルでライティングを行う。趣味は、アニメ鑑賞、競馬、散歩。採用コンサルタント、就業ケアマネージャーとしても活動。

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