生理の貧困を救うOiTr(オイテル)

生理の貧困を救うOiTr(オイテル)

日本で始まった素晴らしいサービスのご紹介


今回は、2021年8月からサービス開始となった、OiTr(オイテル)をご紹介します。

OiTrとは、学校やオフィス、公共施設などのトイレの個室に設置された、生理用品を無料で提供してくれるサービスです。


使用方法は以下の通りで、とても簡単です。

1. OiTrの無料アプリをダウンロードし、ユーザー登録します。
2. スマートフォンをディスペンサーにかざします。
3. ナプキンがディスペンサーの取り出し口から出てきます。


筆者も実際にアプリをダウンロードしてみました!

ユーザー登録と聞くと、億劫に感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、メールアドレスとパスワード設定のみで完了しました。

不正利用防止のため、いくつかのルールも定められているようです。


以下、実際の画面です。

生理用品の自動販売機はたまに目にすることがありましたが、各個室には設置がありませんでした。

急な生理の場合だと、1度個室から出る必要がありますし、トイレ待ちの列ができている場合は最悪ですよね。

生理が来るタイミングが読めず、トイレに入って焦ってしまうということも多々あるなかで、あまり利便性が高いとは言えなかったと思います。

その点、このOiTrについては急な生理の場合でも安心ですし、使用者に寄り添ったシステムなのではないでしょうか。

また、筆者がOiTrのホームページを拝見するなかで、最も紹介したいと思ったのはそのコンセプトです。

『このサービスを生理に伴う負担軽減に役立てていただき、経済格差やジェンダーギャップといった不均衡の是正に寄与したい。』
OiTr(https://www.oitr.jp/) ホームページより抜粋

これだけ見ると、なぜ経済格差の話に言及しているのか、ピンとこないかたもいらっしゃるかもしれません。


その理由は“生理の貧困”にあります。

世の中には、経済的な理由から生理用品の購入ができなかったり、ためらってしまう方、両親から買ってもらえない…など、生理用品を手に入れることが困難な女性が想像するよりもたくさんいらっしゃいます。

日本人女性の生理が始まる年齢の平均は12歳、閉経は50歳と言われており、38年間、毎月7日間生理用品を使用したとしましょう。

昼用・夜用それぞれ使用するとして、ざっくりと計算しただけでも35万円以上の金額が算出されました。

これはナプキンだけの購入額の例ですので、鎮痛剤やサニタリーショーツ、その他さまざまな生理に関する出費がプラスされるとなると、かなりの金額になります。


いかがでしょう。

ふらっと立ち寄ったトイレでもトイレットペーパーは無償提供してもらえるのに、生理用品はそうではありません。

しかし、女性にとってトイレットペーパーと同じぐらい必要不可欠な生理用品。

今や音姫が普通になっている世の中ですが、このOiTrの設置がそれぐらい普遍的なものになってほしいと願っています。

この記事のライター

岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」

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