毎年10月に行われる“ポリッシュドマン(POLISHED MAN)”という活動をご存じですか?
子どもに対する身体的・精神的・性的暴力防止を訴える活動で、男性が5本指のうち1本の指にマニキュアを塗ることで、その活動を広めています。
男性が1本だけマニキュアを塗ることによって、
「それって何?」
という会話のきっかけを生み出し、そこから子どもたちの被害の実情を広め、寄付への参加を促す狙いがあるのです。
この運動は、2016年からオーストラリアの国際非営利団体YGAPによって行われおり、集められた寄付金は世界中の子どもたちのトラウマ予防やトラウマを克服するための支援に使用されています。
なぜ男性なのか
世界では、昨年だけで10億人もの子どもたちが暴力被害にあっています。
これは世界中の子どもの半分の数に値します。
つまり、2人に1人の子どもが暴力被害にあっているということです。
そして子どもに対する加害の実態のうち、性的暴力の90%が男性という統計が出ています。
子どもへの暴力が少ない世界を実現するためには、男性が積極的に暴力防止への役割を果たす必要があるという考えのもと、男性がメインとなっているのです。
もちろん活動へは性別を問わずどなたでも参加が可能です。
なぜマニュキュアを塗るのか
ポリッシュドマンのアイディアのきっかけは、YGAPの創業に携わったElliot Costello氏の実体験から生まれています。
Elliot氏は、キャンペーンの受益者となるカンボジアに設立された非営利団体を訪れた際、1人の少女と出会いました。
彼女はElliot氏と遊ぶなかで、手のひらにいたずら書きをしたり、彼の爪を青く塗ったと言います。
後にElliot氏は、その少女が孤児院の院長から2年間、日常的に身体的・性的な暴力を受けた末に非営利団体から支援を受けるに至ったという経緯を知るのです。
そこでElliot氏は、彼女を思い出すために爪を1本塗るという取り組みを決めました。
いかがでしたでしょうか。
日本ではまだあまり浸透していないかもしれませんが、海外セレブがこぞってマニキュアを施した写真を『#polishedman』というタグとともに掲載したり、有名アーティストを広報大使として起用したりと、その活動は年々広がりを見せています。
ぜひ皆さんも、これを機にこの活動を知っていただけたら嬉しいです。
Polished Man encourages everyone to take a stand and actively commit to ending violence against children. By painting one nail blue, and representing this harrowing statistic, people can start a conversation which raises awareness and funds to ensure no childhood is lost to violence. Sign Up. Donate.
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」