当たり前のように根付いている慣習が、よくよく考えてみると意味がなかったということはよくあります。
無意味な慣習を撤廃していく動きはあらゆる場面で進んでいますが、今回はそのなかの1つである“オフィスルック”に焦点を当てたお話をしたいと思います。
1つ例を挙げるとすれば、#KuToo(クートゥー)運動は多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これは、職場でハイヒールやパンプスの着用を強要することを禁止するよう求める運動です。
ヒールを履いたから仕事効率が上がるのかと問われれば決してそんなことはなく、むしろ疲労によってかえってパフォーマンスが落ちてしまう可能性もあります。
災害時には逃げ遅れてしまう可能性も高くなりますし、健康被害まで報告されているため、ヒール着用が就業時の義務と言われるのは疑問ですよね。
(※今までヒール着用を強制していた企業へ強制の撤廃を求めていますが、ヒールを履きたい人は履いていいし、履きたくない人は履かなくていいというものですので、決して「絶対にヒールを履いてはならない!」という運動ではありません。)
こういった運動が注目を集めるなど、オフィスルックは多様な変化を遂げ始めています。
今回は実際に働く人たちの声を聞いてみました。
ーホテル勤務・Nさん 「職場では決まった制服を着るので、通勤時は好きな服を着ることができて楽です。 仕事中はパンプスの着用が決められていますが、色味の統一のみでヒールがないものでも問題ありません。」 |
ー企業受付勤務・Hさん 「就業中は制服を着ますが、通勤時もオフィスカジュアルを心がけるよう上司から度々チェックが入ります。クライアント企業のイメージに沿う必要があるからです。 制服があっても結局通勤時には企業イメージに沿うような服を購入しなければならず、出費が地味に痛いなと感じています。 就業中も3~8センチのヒールがあるパンプス着用が定められており、身だしなみの評価基準に含まれているほどです。」 |
ー都内企業勤務・Kさん 「基本的に服装は自由です。社外との打ち合わせがある時など、TPOに合わせてオフィスカジュアルを意識しています。 社内が自由な雰囲気なので、実際業務に関係ない服装の部分で悩む必要がなく助かっています。」 |
三者三様、環境によって異なることが伺えますね。
筆者も「ノーネクタイ運動」や「オフィスカジュアル化」へ取り組む企業の過程を実際に見てきましたが、取引先に合わせてネクタイを持参するよう言われていたにも関わらず、忘れてしまい上司に怒られている若手社員や、服装がカジュアルすぎるのではないかと陰口をたたく社員など、自由化してもなお変わらない人々の視線に違和感を感じることが多々ありました。
周りに合わせる風潮がある日本だからこそ、舵を切りきれていない現状があるのかもしれません。
若い世代にとって1つの魅力として映るオフィスルックのあり様。
皆さんの理想のオフィスルックとはどのようなものでしょうか?
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」