事故から改正される道路交通法

事故から改正される道路交通法

痛ましい事故を繰り返さないために


連日のように報道される交通事故。
そのなかでも、被害者の死亡事故は知らない方であっても心が痛くなります。

事故から改正された法令や罰則について、みなさんはご存じでしょうか。


東池袋自動車暴走死傷事故

2019年4月、2人が死亡、9人が重軽傷を負った事故。
この事故から、高齢運転者が免許更新する際の基準を強化し、下記のような内容で改正されました。

1.認知機能検査の検査方法の変更

認知機能検査項目が「時間の見識・手がかり再生・時計描画」の3項目から

「手がかり再生・時間の見当識」の2項目に変更されました。


2.高齢者講習の一元化

「認知機能検査の低下しているおそれがない/認知機能が低下しているおそれがある/認知症のおそれあり」の3区分から2区分に変更。


そして、認知機能検査の結果に基づき、認知機能検査が76点以上→2時間講習/4975点→3時間講習に分かれていた高齢者講習が、2時間の講習に一元化しました。

 

3.運転技能検査の新設

75歳以上の高齢運転者のうち、過去3年以内に一定の違反がある場合、運転技能検査を受けなければならず、不合格の場合は免許の更新ができなくなりました。

東名高速夫婦死亡事故

2017年6月、神奈川県の東名高速道路下り線で男女2人が死亡、加害者を含む4人が重症を負った事故。

この事故から妨害運転(あおり運転)の定義を定め、罰則が創設されました。

妨害運転の対象となる違反

①通行区分違反

②急ブレーキ禁止違反

③車間距離の不保持

④進路変更禁止違反

⑤追越し違反

⑥車両等の灯火違反(減光等)

⑦警音器の使用等違反

⑧安全運転義務違反

⑨最低速度違反(高速自動車国道)

⑩高速自動車道等における駐停車違反

妨害運転(あおり運転)をした場合(交通危険のおそれ)

罰則:3年以下の懲役、または50万円以下の罰金

違反点数:25

行政処分:免許の取り消し(欠格期間2年)

 

妨害運転(あおり運転)により著しい交通の危険を生じさせた場合

罰則:5年以下の懲役、または100万円以下の罰金

違反点数:35

行政処分:免許の取り消し(欠格期間3年)


自転車と歩行者の正面衝突事故

改正されたのは自転車利用のルールも同じです。

2013年、当時11歳の男子小学生と62歳女性が正面衝突する事故が発生。
女性は頭蓋骨を骨折、意識が戻らない状態に。
神戸地裁は、少年の母親に約9500万円という高額賠償を命じました。

数千万の賠償金が命じられる自転車事故はほかにも数件あり、それまで努力義務だった自転車保険の加入を2015年10月に兵庫県が初めて義務化しました。
この動きは他の地域にも徐々に広がっています。

また、自転車通勤者へは自転車保険の加入を義務付けている会社もあります。


最近では、電動キックボードで国内初の死亡事故が起こりました。
死亡した男性は任意であるヘルメットをしておらず、酩酊状態だったそうです。

お酒に酔っていたのであればそもそも運転するべきでなかったと思いますが、ヘルメットをしていたら少しは違う運命になっていたのではないでしょうか。

「任意=どちらでもいい」ということではありますが、何をしてもいいということではありません。
被害者が出るのならルールが厳しくなるのも当たり前です。

安全に住める日本になってほしいですね。

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