ルッキズムとは―外見至上主義からの脱出―

ルッキズムとは―外見至上主義からの脱出―

どんな人も他人の容姿を評価する権利はありません


皆さんは「ルッキズム」という言葉を聞いたことがありますか?

容姿にもとづく差別や、見た目の良し悪しでその人を評価してしまうことを言います。外見至上主義と同義です。
ルッキズムという言葉になじみはなくとも、日常の至る所でしみついている普遍的なものであるかと思います。

例として、東京五輪・パラリンピック開閉会式の演出を統括するクリエイティブディレクター 佐々木宏氏(66)が、女性タレントの容姿を侮辱するような内容の演出を関係者に提案していたことが問題になり、辞任に至ったニュースが思い出されます。

世界的なスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックにおいて、ルッキズムに傾倒した演出が提案されていたとはぞっとします。

自分が自分をどのように評価し、どのような姿になりたいかは自由です。
しかし、どんな人も他人の容姿を評価する権利はありません。

何気なく口にした一言が、相手にコンプレックスを抱かせる原因となり得るのだということを認識しておく必要があります。

“太っているより痩せているほうが美しい”というありがちな概念は、着たい服があっても着ることができないといった個人の選択の自由を狭めるだけではなく、ときに摂食障害といった病気をも引き起こしてしまいます。

また、“一重より二重のほうが美しい”という概念も日本では感じられやすいかもしれません。

コロナ渦において需要が高まったもののなかに、美容整形があります。
マスク着用や在宅勤務がダウンタイムへの懸念を小さくしたと言えるでしょう。

筆者は整形自体を否定的には捉えていません。
自分が自分を好きになるための手段なのであれば、人生をより豊かにする可能性があるからです。

ですが、他人からの評価を得るための手段として整形を選ぶというのであれば少し考え物です。

なぜなら、“美しい”“奇麗”というのは個人の主観でしかなく、100人いて100人の評価を得ようという欲望には終わりがなくなってしまうからです。

これではいつまでも自分自身を愛し認めてあげることができません。

美しいものを美しいと称賛し、好意を寄せることは全く問題ではありません。
ですが、社会におけるルッキズムは淘汰されていくべきでしょう。

あらゆるところで多様性が訴えられる今、ルッキズムの現状にも目を向けてほしいと思います。

この記事のライター

岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」

関連するキーワード


#社会問題 #美容

関連する投稿


冬の乾燥トラブル

冬の乾燥トラブル

乾燥対策をしよう!


保育のプロが園児を虐待

保育のプロが園児を虐待

その道に向かない人の免許ははく奪されて然るべきではないでしょうか。


年収1000万円なら子どもは不自由なく育てられるのか

年収1000万円なら子どもは不自由なく育てられるのか

年収1000万円家庭が抱える苦労とは


子育て中の時短勤務者に現金支給?

子育て中の時短勤務者に現金支給?

ネット上でのそれぞれの意見とは…


ハロウィンで人が殺到。梨泰院で起きた悲惨な事故から考える。

ハロウィンで人が殺到。梨泰院で起きた悲惨な事故から考える。

“誰のせい”は本当に重要なのか。


最新の投稿


PMSってなに?月経前症候群について知ろう

PMSってなに?月経前症候群について知ろう

日常生活に支障をきたすその不調、PMSかもしれません。


いつも血液が不足している理由とは

いつも血液が不足している理由とは

献血は簡単にできるボランティアです。


「子どもに毎月5千円」少子化対策で検討へ

「子どもに毎月5千円」少子化対策で検討へ

チルドレンファーストの社会に向けて


2023年から変わること

2023年から変わること

私たちの生活にどんな変化がもたらされるのでしょうか。


 神社の格式とは

神社の格式とは

意外と知られていない「社号」について説明します!


最近話題のキーワード

FABOnews.で話題のキーワード


#心理学 #犯罪 #性被害 #メンタル #子育て #企業 #自殺 #命