ベビーシッターの男が、派遣先やボランティアで参加したキャンプ場などで、計20人の男児にわいせつな行為などをした事件。
強制性交や児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた橋本晃典(31)被告に対し、東京地裁は懲役20年(求刑懲役25年)の実刑判決を言い渡しました。
判決によると、2015年からの約4年間、東京や山梨、広島などで当時5~11歳の男児20人にわいせつな行為をし、その様子を撮影するなどしていました。
裁判長は一連の犯行を「保育士の資格を有し、信頼される立場を利用して、被害者の性的知識の未熟さにつけ込んだ悪質なもの」とし、被害者の人数や、犯行の件数が際だって多いと指摘しました。
その卑劣な犯行をメディアは一斉に報じていますが、過去にも保育士やシッターによる犯罪は起きています。
■野田市園児性的暴行事件
2019年12月から翌年2月にかけて、保育所で勤務する男が少なくとも園児3人にわいせつ行為をはたらき、10人前後へのわいせつ行為を認めた事件。
2人きりでダンスの練習をしている際など、犯行は他の保育士の目の届かない所で行われていたとみられています。
2020年2月、被害を受けた女児が保護者に被害を報告したことで発覚しました。
■キッズライン事件
2020年の4~5月中旬にかけ、保育を請け負った5歳女児の体を触るなどのわいせつな行為をしたとして、ベビーシッターの男が逮捕されました。
男は被害女児宅を計8回訪問しており、マンションやマンション近くの公園で常習的に犯行に及んでいました。
前述したすべての事件の加害者に共通しているのは、男性であるということです。
2020年4月に厚生労働省が行った調査では、女性保育士が全体の約95%を占めており、男性保育士が約5%だったのですが、
2003年から2020年の間にわいせつ行為を理由に保育士登録の取消処分受けたのは、男性61人、女性3人。
この数字を見て、皆さんはどう思うでしょうか。
“性犯罪者のほぼ100%は男性であること”を認識する必要性を改めて訴えたいです。
性犯罪者の性格特性は存在するのか 心理カウンセラーの見解
2023年からは、性犯罪で禁錮以上の刑を受けた場合、保育園などで働けない期間を現行の2年から最長10年に延ばす方向となりましたが、犯罪者が同じ場所で働ける道が残されていてもよいのでしょうか。
国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、5歳から性教育を始めるよう推奨されていますが、東京都の中学校で行われた授業について、自民都議が都議会で教員らを名指しし「不適切な性教育」と批判しているのが今の日本です。
こういった社会ですので、幼い子どもにも自己防衛能力を求めなければいけません。
子ども達に他人のプライベートゾーンを触ってはいけないという知識があれば、より早く事件が発覚し、被害者が最小に抑えられる可能性もあります。
知識を得るのに早い遅いはなく、知識は武器です。
子ども達が安心して暮らせる社会にするために、大人としての責務を果たすために、情報を発信し声を上げ続けたい、筆者とFABOnews.の思いです。