警視庁の無料防犯アプリ「デジポリス」を活用し、性犯罪者を逮捕

警視庁の無料防犯アプリ「デジポリス」を活用し、性犯罪者を逮捕

危機管理能力ばかりが求められるのはおかしい。性加害を撲滅するためには?


2022年4月15日、埼玉から東京に向かう電車内で性犯罪が発生。
10代の女性に対し50代の男が痴漢行為をして逮捕されました。

逮捕に至った経緯としては、女性が防犯アプリを使用したことにあります。


この女性が使ったのは、警視庁の無料防犯アプリ「Digi Police(デジポリス)」でした。

デジポリスには2段階の痴漢撃退機能が備わっており、
「痴漢です 助けてください」という文面がスマホの画面に表示されたのち、
助けて!ボタンを押すと「やめてください」という音声が流れるようになっています。

筆者スマートフォンのスクリーンショット

これによって被害に気がついた乗客が男を取り押さえ、赤羽駅で警察官に引き渡され逮捕に至りました。

今回被害にあった女性は、以前にも同じような痴漢被害にあったことがあり、アプリについての記事を目にしたのを機にダウンロードしていたそうです。



デジポリスは、怖くて声を出すことができない被害者のために警視庁が開発したアプリで、2016年から配信しています。

痴漢撃退機能のほかに、現在地に近い駆け込み場所(警察署や交番)を示してくれる地図機能や、防犯ブザー機能も搭載されているため、性別年齢を問わずダウンロードしておくと安心でしょう。

筆者スマートフォンのスクリーンショット

4月8日にはアプリのアップデートがあり、「ちかんされていませんか?」という画面表示が追加されています。

これは被害者がとっさにアプリを起動できない場合もあるため、第3者が被害者に対して助ける意思を示すために役立てることができます。

筆者スマートフォンのスクリーンショット

女性は、“女性である”というだけで性被害の危険に脅かされる立場です。
痴漢防止ポスターなどを見ても、女性への危機管理を訴えるものが多くあります。

今回の加害者が逮捕に至ったのも、女性の危機管理がきちんとできていたからに他なりません。
そしてその危機管理能力は、以前受けた性被害から生まれています。


しかし、1度よく考えてみてください。
加害者撲滅のための訴えが1番に行われるべきではないですか?

いざ逮捕に至ったからと言ってどうでしょう。
加害者が失うものは被害者に比べてあまりにも軽いものではないですか?

痴漢行為の被害者はもちろん女性だけではありませんが、性犯罪者の99.6%は男性であるという数値も実際に出ています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。
性犯罪者の性格特性は存在するのか 心理カウンセラーの見解

女性の防犯意識を高めるのも大切ではありますが、根本の“性加害を撲滅する”点に重きが置かれることを願っています。

デジポリスについては、被害者のみならず被害者を助ける側も活用できるため、ぜひこれを機に皆さんダウンロードしてみてほしいと思います。

▼アプリのダウンロードはこちらから▼
防犯アプリ Digi Police 警視庁

この記事のライター

岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」

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