2030年までに達成を目指す世界共通目標のSDGs。
そんなSDGsが掲げる目標のなかから、【目標5:ジェンダー平等を実現しよう】を取り上げてお話します。
(過去のSDGs関連の記事は こちら)
ジェンダーとは“社会的性別”のことを指しますが、社会のなかで定着してしまっている「男性らしさ」「女性らしさ」として形容される考え方をなくしていこうという取り組みです。
最近では、おもちゃ業界もジェンダーフリー化に乗り出しています。
今回はその取り組みをご紹介します。
シルバニアファミリー
株式会社エポック社が販売する、動物をモチーフとしたドールハウスシリーズ『シルバニアファミリー』。
その愛らしいデザインは、子どものみならず大人からも人気を得ており、幅広いファン層を獲得しています。
1つ1つのドールに対してキャラクター設定がされているのですが、性別に対する固定観念がかからないよう工夫されているそうです。
男女比がバランスよくセットになっているだけではなく、男の子の服の色にピンク、女の子の服の色に青を使用するなど、色使いの見直しも行われています。
また、家事労働の象徴ともいえるエプロンをお母さんにつけないようにしているそうですよ。
シルバニアと聞くと女の子向け商品というイメージがありましたが、男の子も手にしやすいよう、忍者コスチュームや車などの商品も取り扱っています。
レゴ
デンマークの玩具会社LEGOが販売する『レゴブロック』。
プラスチック製の組み立てブロックは、無限の想像力を育んでくれます。
有名な映画作品とコラボレーションしたシリーズも多く発売されており、長い歴史のなかで幅広い年齢層の方々を魅了し続けています。
レゴは消費者に男の子向けだと認知されているという実態を受け、男女分け隔てなく受け入れられる商品の開発に取り組んでいます。
「男児向け」「女児向け」という商品表示の撤廃や、ミニフィギュアの男女数を同数になるよう工夫しているそうですよ。
小さい時に無意識的に目に入れ手にするもののバイアス(=考え方に偏りを生じさせるもの)を取り除くことで、そもそもの感覚が現代に適応した形で育っていくのではないかと期待できますね。
親世代の感覚とギャップが生まれそうではありますが、おもちゃを通じて“子どもとともに学ぶ”ことができるという点では、全世代にとって良い取り組みなのかもしれません。
商業的な目線で男女に受け入れられることと、ジェンダー的な目線で男女に受け入れられることでは、意味合いも変わってくるでしょうから、各企業の姿勢がどのように反映されているのかという点は非常に興味深いですね。
この記事を書きながら、「男の子も手にしやすいように車の商材がある」などという表現にもすでにバイアスがかっているのでは、と自らを振り返りました。
文字に起こす難しさもありますが、こういった“気づき”は非常に大切です。
筆者も情報を得ながら、引き続き感覚をアップデートしていこうと思います。
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」