厚労省の不妊予防支援策について思うこと

厚労省の不妊予防支援策について思うこと

良い取り組みだけど、もやもやする。素直に私が喜べない理由。


2021年7月9日、厚生労働省が不妊予防支援パッケージの取り組みを発表した。

月経痛に悩んでいても医療機関を受診しない女性が多いことから、医療機関へアクセスしやすいような取り組みや、正しい情報の周知活動を行い不妊を予防するというもの。


たしかに、思い返してみると学生のころには学校に来れないくらい生理痛の酷い友達がいたし、その友達は毎月くる生理痛にただ耐えるだけで病院を受診してはいなかった。

そもそも生理痛なんて痛い・つらいものだし、病院に行くなんていう知識もなかった。

社会人になってからは職場に生理休暇があったが、上司が男性で言いづらいなど、結局あっても制度を利用できないという声もたくさん聞いてきた。
(そして青白い顔しながら必死に働いていた。)


その点でいえば、この取り組みは若い女の子たちへ正しい知識を届けられるし、忙しくてなかなか時間が取れない女性たちにとって有用だと言える。

しかし私が素直に喜べない理由。

「不妊予防支援パッケージ」ってなに?
普通に「女性健康支援パッケージ」とかじゃだめなのか?

これでは“女性のため”ではなく、“将来子どもを産ませるため”の取り組みだ。

この取り組みが結果的に不妊予防につながるとしても、1番の目的は「女性の生活の質を向上させるため」と言えないものか…

(普段から女性に関する支援策は、男性にもこんなメリットがありますよ!というようなアピールの仕方をするものが多い。)

すべての女性が子どもを産みたいわけではないのに、なんで幼いころから将来子どもを産むための準備をさせられないといけないんだろう…

日本で過ごしていると、“結婚して子どもを産むことが普通"みたいな価値観を押し付けられているようでうんざりすることがたくさんある。

不妊の原因の半分は男性にもあるわけだし、せっかくなら男性側も精子の数は適切か?精子の運動量は問題ないか?など検査してもよいのではないだろうか。

女性にだけ予防や検査をさせるのは、昔ながらの“不妊の原因は女性"という価値観に基づいているものではないかと変に勘ぐってしまう。


日本に住んでいる女性が毎月くる生理に対して正しい知識を持ち、適切な医療を受けながら、より良い生活を過ごすことができるよう、この制度が活用されればいいと思う。

この記事のライター

1994年、新潟県生まれ。フェミニスト。働く女性の力になりたい。
大学では韓国語を専攻していました。IT営業、コンサルの経験有り。
趣味はツイッター、好きな食べ物はおにぎりです。猫好き。
気になった出来事を自分の考えとあわせて発信します。(女性差別に関する記事多め)

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