前衆議院議員の発言が波紋を呼んだ性的同意年齢の引き上げ論について、日本では性的な行為に同意する判断能力があるとみなされる年齢は13歳以上と定められている。
この年齢は明治時代から令和の現代まで変わっていない。
「(二人きりで)会う約束をした」「さそっているような服装をしている」「嫌だと言わなかった」はもちろん性行為への同意ではない。
戸惑いや恐怖で声をあげられない状況だったり、逆らってはいけないと意識的に感じてしまう関係性(親や上司)の大人にわいせつな行為をされたとしても、被害者が13歳以上である場合、暴行・脅迫などの証明ができないと加害者が罪に問われることはない。
・“未成年が想像している行為”と“大人がこれから致そうとしている行為”との間に認識の違いは100%生まれないのか?
・性感染症や妊娠のリスクは考慮されているのか?
・そもそも自分が被害者であると認識できる年齢なのか?
考えるべきは上記以外にも様々だろう。
また、日本の性教育は海外に比べて劣っており、学校に通う子どもたちが性行為について正しい知識を学ぶ機会は少ない。
限られた時間の中で学ぶ知識だけでは、まさか自分が性にまつわる犯罪の被害者になりうるとは、到底想像がつかないであろう。
同意のうえで致した性行為でも、受ける精神的ダメージと妊娠による教育への支障は大きい。
15歳までは義務教育期間であり、妊娠をすれば一定期間は教育を受けることができなくなってしまうのに、自業自得で済まされていいのだろうか。
若者にリスクを負わせる可能性があるにもかかわらず、恋愛感情などを引き合いに出し、性的同意年齢の引き上げに反対する声があがることに、不快感を感じざるを得ない。
思春期の少年少女たちが性被害や妊娠を打ち明けるには、ものすごい勇気が必要であると大人たちは理解しているのだろうか。
会議で大人が意見しあって性同意年齢を定めるのではなく、実際に被害として届けられている年齢にももっと目を向けるべきではないか。
世界的に見ても日本は性同意年齢が低く、海外で定められている性同意年齢は以下の通りである。
16〜18歳
…アメリカ
16歳
…カナダ、オランダ、イギリス、ベルギー、スペイン、ロシア、フィンランド、韓国
15歳
…ギリシャ、ポーランド、フランス、スウェーデン
14歳
…オーストラリア、ハンガリードイツ、イタリア、ポルトガル
13歳
…日本
同じく13歳と定めていた韓国は、見直しの声が高まり2020年に16歳に引き上げている。
そもそも日本は、“未成年者は保護する対象である”という意識が低いように感じる。
悩み、苦しむ少年少女たちを少しでも救うためにも、性同意年齢について、見直しが必要である。
1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。