小豆島で行われている児童虐待に対する体制強化のための取り組み

小豆島で行われている児童虐待に対する体制強化のための取り組み

1人の救急救命士の行動から学ぶ


2021年11月、香川県小豆島の小豆地区消防本部で、医療従事者向けの虐待対応研修プログラムが実施された。

それと同時に、救急搬送されてくる児童が虐待を受けている可能性がないか救急隊も判断できるよう、虐待を早期発見するためのチェックシートが救急車に配備された。

この取り組みは、同島在住の救急救命士 西本義則さんの働きかけによるものだと言う。

西本さんは、2015年に児童虐待に関する講演に参加したのをきっかけに、救急隊も児童虐待の早期発見に取り組めるよう、以来積極的に児童虐待予防の知識を広げるべく活動に取り組んでいる。

「救急隊が『おかしいな』と気づければ、搬送の際に写真を撮るなどして証拠を残せるかもしれません。

看護師や医師、救急救命士が違った目線で得た情報を共有することで、救える子も増えるはずです」

と西本さんは語る。

厚生労働省は、虐待を受けた児童に対する市町村の体制を強化するため、全国の地方自治体に呼び掛け、『要保護児童対策地域協議会』の設置を進めている。

要保護児童対策地域協議会とは、市役所、児童相談所、警察、病院、学校などで構成され、要保護児童を適切に支援することを目的に設置されている。


西本さんは、この構成メンバーに消防署も加入するべきと考え、実際に加わっている。

この実例を元に、全国で医療機関・自治体だけに限らず、地域住民・周囲の関係するすべての大人たちが児童虐待の可能性に目を向け、子どもたちを虐待から救い、命を守る以前に子どもたちの未来を守れる社会になってほしいと願う。

この記事のライター

1996年、新潟県生まれ。
趣味は献血、フォロワー1人のインスタアカウント有。
日本一の抹茶アイスを作るため研究中。

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