皆さんは普段YouTubeを見ますか?
今や単なる娯楽としてだけではなく、ニュースなどの情報や、専門的な知識を得ることができたりと、その用途は多岐にわたっています。
2021/7/15、日本の大人気2人組YouTuber『スカイピース』がアップロードした1つの動画で賛否両論を巻き起こしました。
その日は結成5周年という記念すべき日でしたが、動画冒頭で突然解散する旨を伝え、スカイピース本人のみならず、編集などで支えるチームメンバーとも涙ながらに感謝を伝えあうという衝撃の内容でした。
大人気YouTuberの突然の解散発表に、インターネット上では続々と記事が上がりましたが、動画の最後、「もし解散したとしたら」という体で撮影されたものだったことが分かり、数時間後には記事訂正に追われる事態となりました。
出演者たちも、演技というよりは本当に解散するというマインドに落とし込んで撮影していたため、よりリアルさを演出し、視聴者全員がドッキリにかかった形となったのです。
『ドッキリ』という言葉に形容してしまうと、批判の声があがっても仕方がないかもしれません。
しかし、炎上も覚悟のうえで、どうしても伝えたいメッセージがあったと彼らは言います。
「人生の中で急に終わりがくることがたくさんあった」
と自らの経験を踏まえながら語り、
「終わりというものは突然くるもの。大切なものを失う前に行動してほしい」
「失うことの本当の悲しみは身近に感じにくいからこそ、この動画が誰かのきっかけになってほしいと思った」
と涙ながらに訴えました。
解散はうそだったのかという複雑な思いを抱えるなかでも、強いメッセージに胸を打たれた人も多くいました。
“当たり前にあると思っていたものが、ある日突然なくなる”
という疑似体験を視聴者がする形となったこの動画。
良いものと捉えるか、悪いものと捉えるか、賛否両論があって当然であり、どちらにせよ間違いはないと思います。
ただ、彼らが望んだ“今を大切にするきっかけ"を与える動画になり得たのではないかと感じました。
視聴者層が若いというチャンネルの特性を考えると、伝わりやすいアプローチだったのかもしれません。
筆者としては動画コンテンツの新たな側面を見た気がして、非常に興味深かったです。
これがはやりもの的に常習化してしまうと、悪質なものとして判断されてしまうでしょうが、スカイピースだけの最初で最後の貴重なコンテンツになったと思います。
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」