「今日の夕飯の食器洗いを担当してください。」
さて、あなたはどのような手順を想像するでしょうか?
「スポンジに洗剤をつけて洗って流すだけでしょ。」と思った方、ぜひ最後まで読んでみてください。
今回は土屋礼央さん著書の『ボクは食器洗いをやっていただけで家事をやっていなかった』をご紹介します。
普段家事をする機会の少ない土屋さんにとっての『家事』と、家事の大半を担う奥さまの『家事』では、その認識の差に大きな開きがあると言います。
家事とは、家を快適に過ごせる状態に保つために行うもの。
油物など洗い残しはないですか。
水切りカゴには乾きやすいよう並べていますか。
シンクや床はびちょびちょになっていませんか。
食器を洗うという行為は、1つの点にしかすぎず、点と点をつなぐことで初めて『家事』のための食器洗いが完了するのです。
いかがでしょう。
「えっ、そうなの?」という方もいれば、「そうそう、それが言いたかった!」と思われる方もいるでしょう。
こういった夫婦間の意識の差を洗いだす内容が盛りだくさんの内容となっています。
夫婦間の意識の差と聞くと、なんだか耳が痛い感じもあるかもしれませんが、
土屋さんらしい軽快な語り口調によって、男女問わず非常に読みやすいと好評です。
見る人によってはそんな当たり前のことをわざわざ?と思うかもしれませんが、
『そんな当たり前なこと』の個人差の積み重ねは、1つの家庭を構築するにあたって、大きな障壁となり得ることが伺えます。
女性にとっても男性にとっても、お互いがこういう視点で物事を見ているんだ、と気づきを与えてくれる本だと言えるでしょう。
普段家事の大半を担う方にとっては、言語化するのが難しいもどかしさを解消してくれるかもしれません。
食卓にそっと置いて、
「おもしろかったから読んでみたら?」
とご家族でシェアしてみるのはいかがでしょうか。
コミュニケーションツールの1つとして活用することで、日常により良い変化をもたらしてくれるかもしれませんよ。
岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」