ワクチン接種有無による対応、差別的との批判相次ぐ

ワクチン接種有無による対応、差別的との批判相次ぐ

自分の意思に基づく選択ができる社会であるためには


韓国の有名カフェチェーン店『A TWOSOME PLACE(トゥーサムプレイス)』が行ったコロナ対策に批判の声が相次ぎました。

内容としては、注文時に新型コロナウイルスの接種有無を尋ね、未接種の客が使用するカップには黄色のステッカーを、接種済みの客が使用するカップには緑色のステッカーを貼るというもの。

日本に住む私たちは、一見この対応に何の意図があるのか理解しかねてしまいますが、実はこれ、韓国政府が打ち出している防疫指針が原因となっていました。

韓国の防疫指針では、ワクチン未接種者が団体で施設利用することを禁じています。
したがって、未接種者が後から団体に合流するのを防ぐための処置として、ステッカーで可視化したようです。


この対応については、カフェの利用者が実際のカップの写真と、本社に問い合わせをした際の回答をキャプチャーした画像をネット上に投稿したことで知れ渡り、差別的だと多くの批判を呼ぶ事態となりました。

このキャプチャー画像を見ると、顧客センターは謝罪の意を伝えながら、
「利用されるお客様のワクチン接種証明の確認を視覚的に明確にし、店舗内の持続管理のためにステッカーを配布するよう全店舗に公示している。
とても不快に思われたかと思うが、差別の意図は全くなかったという点をご理解いただきたい。」
と回答しています。

日本でも同様の批判を受けた事例がつい最近ありました。
1月23日、長崎幸太郎 山梨県知事がワクチン接種を2回済ませていない県民に対して、不要不急の外出や移動の自粛を要請した件です。

こちらも差別的だとの批判が相次ぎ、2日後の25日に行われた記者会見では、謝罪の言葉とともに、
「ワクチンを接種しないという選択を否定するものではない。」
と説明しています。

ワクチンはコロナの重症化リスクを下げることができますが、絶対に感染しなくなる無敵の薬品でないことは皆さんもご存じかと思います。

副反応によるリスク回避を重要視するのも選択の1つ。
誰にも咎められるものではありません。


今後もコロナとの付き合い方を探っていく日々が続くと予想されますが、そのなかで差別的な取り組みが激化しないことを心から願います。

皆さんもこれからの国や社会の振る舞いに注視し、おかしいと思うことがあれば声を上げていきましょう。

この記事のライター

岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」

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