都内初の赤ちゃんポスト設置 ―命を「棄てる」場ではなく「救う」場として―

都内初の赤ちゃんポスト設置 ―命を「棄てる」場ではなく「救う」場として―

命を守るための選択肢。皆さんはどのように捉えますか?


東京の医療法人社団「モルゲンロート」が、乳幼児置き去りといった赤ちゃんの虐待事件を減らすべく、赤ちゃんポストを都内に初めて設置する準備に入っています。

2024年秋にも、江東区内に赤ちゃんポストを設置した産婦人科を設けるとともに、内密出産を受け入れる意欲も示しているとのことです。

小児科医である小暮理事長は、
「賛否両論あると思うが、赤ちゃんの命を守るために選択肢として用意したい」
と語ります。

赤ちゃんポストとは

赤ちゃんポストとは、さまざまな事情で育てることができない子どもを、親が匿名で託す施設です。

・子どもの命を守ること
・新生児の虐待・殺人・遺棄といった犯罪を防ぐこと
を目的としています。

日本では2007年に初めて、熊本県の慈恵病院が「こうのとりのゆりかご」という名前で赤ちゃんポストの設置を開始しました。

2022年3月までに161人が預けられています。

内密出産とは

内密出産とは、女性が医療機関以外に自身の身元を開示することなく行う出産のことです。
病院が匿名を保証してくれるということですね。

世の中には性暴力や性犯罪被害にあい、望まぬ妊娠をする女性もいます。
家庭環境に恵まれず、誰にも相談することができないまま出産を迎えてしまう人もいます。

そういった女性を救うことを目的とした制度です。

公衆トイレで出産し、そのまま新生児を遺棄してしまう…といった痛ましいニュースを耳にしたことはありませんか?
そういった事件を減らす1つの手段にもなり得ます。

赤ちゃんポストそして内密出産については、匿名性という点において、子どもの権利条約「出自を知る権利」に反するのではないかという意見も見られます。

皆さんは赤ちゃんポストの設置について、どのように考えますか?

赤ちゃんポストは、子どもを「棄てる」場ではなく「救う」場として存在しています。
利用者側がその認識を決してはき違えてほしくないと強く思います。

残念ながら現代は、子ども1人を満足に育てていくのもままならぬほど不安定な社会です。

産まれた子どもの命をどう救っていくかももちろん重要ですが、その子の人生はその先何十年と続いていきます。
誰がどのようにどこまで支えともに歩んでくれるのか、そういった保証はできません。

だとすれば、「産まない」という選択も子を身ごもった女性の意思でできるようにすべきではないでしょうか。

新生児遺棄などのニュースを見ていると、女性の情報ばかりが目に留まりますが、子どもというのは女性と男性両方の存在なくしてはあり得ません。

にもかかわらず、女性ばかりが責任を押し付けられ、苦しんでいるように見えてしまいます。

経口中絶薬の承認についても、筆者としては急がれる課題だと思います。

この記事のライター

岡山県生まれ。大学で英米語を専攻するも、韓国語のほうが得意。
興味・関心をもったトピックスについてジャンルを問わず執筆。
平和主義者。好きな言葉は「好きこそ物の上手なれ」

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